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U-23日本代表がアジア制覇! 山田楓喜の後半AT決勝弾でウズベキスタン撃破、アジア王者としてパリ五輪へ

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U-23日本代表がアジアを制覇

[5.3 AFC U23アジア杯決勝 日本 1-0 ウズベキスタン ドーハ]

 U-23日本代表がAFC U23アジアカップ2024で優勝。4大会ぶり2度目のアジア制覇を成し遂げた。3日、日本は決勝でU-23ウズベキスタン代表と対戦し、1-0で勝利。MF山田楓喜(東京V)が後半アディショナルタイム1分過ぎに決勝ゴールを挙げた。

 準決勝でイラクを破った日本は、8大会連続のオリンピック出場が決定した。決勝で対戦するのは、ここまで5試合14得点無失点の全勝で勝ち上がってきたウズベキスタン。2年前のU23アジア杯準決勝で0-2で敗れた相手との雪辱戦になった。優勝すれば日本は4大会ぶり2度目。初の五輪出場を決めたウズベキスタンは3大会ぶり2度目のタイトルを目指す。

 日本は準決勝イラク戦から先発3人を変更。MF山本理仁(シントトロイデン)、MF佐藤恵允(ブレーメン)、FW藤尾翔太(町田)が起用された。4-3-3の布陣を敷き、GKは小久保玲央ブライアン、4バックは左からDF大畑歩夢、DF木村誠二、DF高井幸大、DF関根大輝。アンカーはMF藤田譲瑠チマ、インサイドハーフは左が松木玖生、右が山本。前線3人は左から佐藤、FW細谷真大、藤尾が並んだ。[両スタメン&布陣]

 ウズベキスタンは、パリ五輪出場が決まる準決勝までの帯同となっていた海外組3人がチームを離脱。DFアブドゥコビル・クサノフ(RCランス)、MFホジマト・エルキノフ(アルワフダ)、MFアボスベク・ファイズラエフ(CSKAモスクワ)が抜け、準決勝インドネシア戦から先発を7人変更した。

 序盤からウズベキスタンにロングボールを上げられ、日本は自陣を脅かされる。前半1分、日本はFWフサイン・ノルチャエフに左足ボレーを打たれるもGK小久保がキャッチ。同2分にもノルチャエフに突破されるが、GK小久保が飛び出してピンチを阻んだ。9分にはノルチャエフにPA左に入られ、左足シュートを打たれるが、わずかにゴール左外に外れた。

 前半28分、日本が決定機を作る。右サイドから人数をかけたプレスで相手のパスミスを誘発。PA手前で佐藤がボールを拾い、右足シュートを放つ。だが、ボールにミートしきれず、ゴール枠外へと逸れていった。

 日本がシュートを打てない間にも、ウズベキスタンは徐々にチャンスを量産。前半41分にはMFジャスルベク・ジャロリディノフにロングループシュートを打たれ、クロスバーを直撃する。前半だけで10本のシュートを打たれてしまった。

 前半だけで藤尾と細谷にイエローカードを受けた日本。落ち着けない展開のまま前半はスコアレスで折り返す。ハーフタイムで両チームに交代はなかった。

 後半開始早々、日本は右サイドから関根、細谷、松木の好連係で突破を図る。直後のセットプレーは2度チャンスを得るも決め切れない。後半7分には藤田が自ら持ち込む。右サイドの関根とパス交換し、PA手前から右足ダイレクト。ゴール枠内に放ったシュートは相手GKに止められた。

 ペースを握りたい日本だが、一瞬の隙を突かれ、ウズベキスタンのカウンターで自陣に迫られる場面が連発。冷静さを保ち、確実に跳ね返していった。

 流れを変えるべく、日本は後半17分に2枚替え。松木と藤尾を下げ、MF平河悠(町田)とFW荒木遼太郎(FC東京)を入れた。平河が右ウイング、荒木が左インサイドハーフに立った。

 しかし日本に流れは傾かず、ウズベキスタンが攻勢を強める。セットプレーからジャロリディノフがミドルを連発。日本は体を張ったブロックで危機を乗り切る。直後のカウンターでは山本と細谷を起点に右サイドから平河が突破。カットインから左足シュートを打つも、ブロックに遭った。

 日本はさらに2枚替え。後半26分、山本と佐藤を下げて、MF川崎颯太(京都)と山田楓を投入する。平河が左ウイングに移動し、山田楓が右ウイングへ。川崎は左インサイドハーフ、荒木が右インサイドハーフとなった。

 後半29分、日本がチャンスを作る。中盤で藤田がボールを収め、荒木につなぐ。パスを受けた川崎が左サイドに展開。平河とのワンツーから川崎が左サイドの深い位置からクロスを上げる。ファーサイドの山田楓がヘディングで合わせるが、ゴール上に外れていった。

 ウズベキスタンは足を攣る選手が出るなか、後半29分に2枚替え。日本は直後に自陣でのセットプレーを乗り切るとカウンターへ。荒木がブロックされて頭を強打する。相手GKにイエローカードが出された。

 ウズベキスタンは攻撃の要でキャプテンのジャロリディノフが足を攣る。後半40分に途中交代となり、DFアリベク・ダブロノフが入った。

 後半アディショナルタイムは11分。しかし、日本は後半アディショナルタイム1分過ぎに均衡を破る。相手の縦パスを高井がカット。持ち込んだところをヒールで落とす。藤田がPA手前に縦パス。荒木が触れたボールを、山田楓がトラップから左足を一閃。ゴール右隅に先制弾を突き刺し、今大会無失点のウズベキスタンのゴールを割った。

 得点直後、日本は大畑を下げてDF内野貴史(デュッセルドルフ)を入れる。逃げ切りたいが、後半4分過ぎにピンチが訪れる。相手のクロスに対して、関根が自陣でハンド。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックが入り、主審はウズベキスタンにPKを与えた。

 キッカーはMFウマラリ・ラクモナリエフ。しかし、日本の守護神が阻む。GK小久保が横っ飛びでスーパーセーブ。絶体絶命のピンチを切り抜けた。

 残り時間を守り切った日本が1-0で優勝決定。4大会ぶり2度目の栄冠を手にした。

(取材・文 石川祐介)

●AFC U23アジアカップ2024特集
●パリオリンピック(パリ五輪)特集

石川祐介
Text by 石川祐介

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