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“世界一”凱旋会見!!澤「不可能ではないことを証明できた」

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 9日にスイス・チューリッヒで行われた「FIFAバロンドール2011」授賞式でFIFA女子年間最優秀選手に選ばれた日本女子代表(なでしこジャパン)のMF澤穂希(INAC神戸)とFIFA女子年間最優秀監督賞を受賞した佐々木則夫監督が11日、帰国し、都内で受賞記者会見を行った。

 FIFA年間フェアプレー賞を受賞した日本サッカー協会の小倉純二会長も同席。「バロンドールには8つのアワード(賞)があったが、そのうちの3つを日本がいただけたのは大変名誉なこと」と喜び、「授賞式に出席していた他のアジアの関係者の方々も『アジアの名誉だ』と喜んでくれた。日本、そしてアジアが欧州、南米の仲間入りをできた一つの証拠だと思う」と、アジア初のFIFA年間最優秀個人賞を受賞した2人の快挙を称えた。

「授賞式では隣にメッシ選手もいて、自分の名前が呼ばれたときは頭が真っ白で、何が何だか分からなかったけど、少しずつ実感がわいてきました」。受賞の瞬間の心境を語った澤は「自分の個人的な賞ですが、アジアで初ということで、日本女子サッカーにとっても大切なことだと思っています。今年はロンドン五輪もありますし、いい年の初めになったかなと思います」と素直に喜んだ。

「ここに来るまで18年という長い年月がありましたが、世界一という目標を果たすことができました。このトロフィーはとても重いんですが、その18年間のもっと前から女子サッカーに携わってきたすべての方々の重みが入ったトロフィーだと思います」

 授賞式で隣の席だったメッシ(バルセロナ)とは「メッシ選手はシャイなのか、しゃべる機会はなかった」と苦笑いしたが、シャビ(バルセロナ)からは英語で「W杯優勝おめでとう」と声をかけられた。世界を代表するスター選手たちと言葉をかわし、記念写真を撮る機会もあったという。

 授賞式後はINAC神戸やなでしこジャパンのチームメイトからたくさんの祝福メールが届いていた。FW大野忍(INAC神戸)からは題名に「澤バロンドール穂希」と書かれたメールを受信。「普段から仲良くさせていただいて光栄です」と祝福する内容に「最高の仲間がいてこそ取れた賞だから感謝しています」と返信した。

 日本人初、アジア人初の快挙となる“女子バロンドール”受賞。「『日本人でも』ではないけど、不可能ではないことを証明できて、今の子供たちに夢や目標ができたのはよかったと思いますし、少しは影響があるのかなと思います」と謙虚にはにかんだ澤は今夏に迫ったロンドン五輪に向けても「気持ちの面は全然変わっていません。チームとしてロンドン五輪でメダルを取りたい気持ちは変わってないし、何も変わっていません」と、世界一の選手になっても浮かれることなく、気持ちを引き締めた。

 FIFA女子年間最優秀監督賞を受賞した佐々木監督とともに挑むロンドン五輪。“世界最高”の選手と“世界最高”の監督が女子W杯に続く金メダルを目指す。「監督はチームの雰囲気を和ませてくれるし、選手が緊張する場面で、一言で笑いにしてくれたり、サッカーをしやすくする雰囲気づくりがうまいので、そういうところが素敵です」。“世界一の監督”をそう評した澤は「一緒にサッカーをやっていて楽しいし、もっともっと一緒にやりたい。ロンドンで監督と一緒に世界一になりたいという目標ができました」と決意を新たにしていた。

(取材・文 西山紘平)

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