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J2降格の札幌・石崎監督の去就は白紙、クラブ幹部の退任も

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[9.29 J1第27節 川崎F1-0札幌 等々力]

 コンサドーレ札幌の石崎信弘監督はJ2降格が決まった試合後の記者会見でもあくまで淡々とした口ぶりだった。7試合を残して史上最速での降格決定。「チームのスタッフ、選手、サポーターに申し訳ない」と謝罪の言葉を述べると、「苦しい試合の中でもたくさん応援していただき、今日もアウェーでたくさん応援していただいた。それに応えられるような試合を残り7試合やっていきたい」と前を向いた。

「後ろが安定しないと、いいサッカーはできない」。ここ2試合はスタートから3バックを採用。前節の大宮戦は0-5で大敗したが、後半5分に退場者を出すまでは0-0だった。この日も後半35分に決勝点を許すまでは無失点で耐えていた。土壇場で守備に光は見えたものの、「守備だけではいつかやられる。攻撃する時間が短すぎた。そこを改善しないと、攻められっぱなしでは厳しい」と、攻撃の形は最後まで構築できなかった。

 指揮官の契約は今季限りで満了する。就任3年目の昨季、4シーズンぶりのJ1復帰を成し遂げたものの、クラブの目標である「J1定着」は果たせなかった。4度目のJ2降格は京都と並んでリーグ最多タイ。01~02年は2シーズン続けてJ1に残ったが、それ以外は98年、08年、そして今年と、1シーズンでJ2に降格している。

 矢萩竹美社長は石崎監督との来季契約について「具体的に個別のことは答えられない」と明言を避け、三上大勝強化部長も「一般的なサッカーの理論で言えばそうなる(契約を延長しない)だろうが、一番大事なのはクラブがどうなっていくか。そのために監督はだれがいいか」と話し、「現時点では何も決まっていない」と白紙であることを強調した。

 試合後はゴール裏のサポーターに矢萩社長らが対応。チームが昇降格を繰り返す現状に矢萩社長、三上強化部長の退任を求める声も挙がった。矢萩社長は「責任については社長になったときから常に感じてやってきたし、責任の取り方は一番意識してやってきた。成績としてこうなった以上、自分の身の処し方を考える」と言及。サポーターの声に三上強化部長も「重い言葉だと思う。チームを変えていきたい熱意は間違いなくあるが、自分が本当に変えられるのかは自分なりに整理して考えていかないといけない」と神妙な表情を見せた。「僕が強化部長に就任してから2度昇格させ、2度降格した。(降格の原因の)一つは僕の力不足」。指揮官だけでなく、クラブ幹部を含めた総退陣の可能性も出てきた。

(取材・文 西山紘平)

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