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さいたまダービーを制した大宮が18試合無敗のJ新記録を樹立!!

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[4.20 J1第7節 大宮1-0浦和 NACK]

 J1は20日に第7節を各地で行い、NACK5スタジアム大宮では、大宮アルディージャ浦和レッズによる『さいたまダービー』が行なわれた。ともに今季無敗で3位の大宮(4勝2分)と2位の浦和(5勝1分)の一戦は、予想通り激しい試合になった。前半ロスタイム、浦和に負傷者が出た時間帯に、大宮はFWズラタンが先制点を挙げる。後半も圧倒的に浦和がボールを保持して攻め続けたが、大宮はチーム全員で前半の1点を守り切り、1-0で勝利。昨年9月のダービーから始まった無敗記録を18に伸ばし、J1新記録を樹立した。

 大宮は6節のC大阪戦で退場したDF高橋祥平が出場停止。DF片岡洋介が今季初めてスタメンに名を連ねた。また、負傷が伝えられていたFWノヴァコヴィッチも間に合い、3節の新潟戦(1-1)以来のズラタンとの2トップが実現した。対する浦和は、前節の湘南戦(2-0)と同じメンバーと布陣で、今年最初のダービーを迎えている。
[スタメン&布陣はコチラ]

 開始直後から両チームともにエンジン全開だった。大宮がサイドからクロスボールを入れてチャンスをつくったかと思うと、浦和もすぐにMF梅崎司が左足シュートを放つ。前半3分には浦和の守備がFKの処理を誤ると、片岡が左足で強烈なシュート。GK加藤に当たったボールは、わずかにコースが変わりクロスバーを叩いた。

 序盤に主導権を握ったのはホームの大宮だった。前半8分にも右サイドからMF渡邉大剛がクロスを入れるとDFがクリアーしたボールをMF富山貴光がシュート。これはDFにブロックされるが、MF青木拓矢がボールを拾って、シュートをゴール左に飛ばしている。

 徐々に浦和がボールを保持する時間が長くなるが、なかなか打開策が見いだせない。その中で前半26分にはGK北野と接触したMF原口元気がプレー続行不可能となり、マルシオ・リシャルデスと交代した。その後も浦和がボールを持つ時間が続いたが、決定機はつくれない。

 逆にボールを持たせるところ、奪いに行くところを見極めた大宮が、試合の主導権を握る状況で試合は推移していく。前半40分には左サイドでFKを得た大宮は、ゴール前でFWズラタンがヘディングシュートを放つ。ゆっくりとゴールへ飛んだボールはクロスバーを叩くと、跳ね返りをDF菊地光将が押し込もうとしたが、クロスバーを越えて行った。

 このまま前半を終えるかと思われたが、2分のロスタイムにドラマが待っていた。ズラタンとの競り合いでDF那須大亮が負傷し、出血する。この治療中に数的優位を得た大宮は、前への圧力を強めてボールを奪うと、左サイドを突破した渡邉の折り返しをズラタンがゴールに流し込み、先制に成功した。

 後半の立ち上がり、浦和は右サイドからチャンスをつくり出す。後半4分にはMF鈴木啓太が低くて速いボールをゴール前に入れると、大宮の守備陣の隙間にボールが落ちる。興梠が回収してシュートに持ち込んだが、体を張って守る片岡にブロックされた。

 その後も浦和はボールを回しながら、右サイドからゴールに迫ろうとする。しかし、大宮の守備網に引っかかる回数が多く、逆にズラタン、ノヴァコヴィッチのキープ力を生かした大宮の速攻やセットプレーからピンチを迎える。

 後半24分、浦和は梅崎を下げてMF関口訓充を起用し、膠着状態の打開に入る。その3分後には左サイドを突破した槙野が、ゴール前に折り返して大宮ゴール前の密集に混乱を生む。しかし、最後にボールに触った興梠がオフサイドと判定され、フィニッシュまで持ち込めない。同30分にはGK加藤のロングボールを両チームが競り合い、こぼれたボールを柏木が拾ってドリブルで運ぶ。最終ラインの裏に抜けた興梠にパスを出したが、ここもオフサイドとなった。

 全体をコンパクトに保ち、忍耐強く全員で守りながらも、大宮は速攻の機会をうかがい続ける。31分には左サイドからの折り返しがゴール前のノヴァコヴィッチにわたったが、シュートは力なくGK加藤に抑えられた。

 後半37分、大宮は富山を下げて、DF渡部大輔をピッチに送り出す。同39分に浦和は宇賀神を下げて、FW阪野豊史を起用する。対する大宮も同じタイミングで渡邉を下げて、DF村上和弘をピッチに送り出す。さらに41分にはズラタンとFW長谷川悠を代えて、交代カードを使い切った。しかし、大宮の集中力は最後まで途切れず。宿敵・浦和を今季リーグ戦初完封に抑えて、初黒星を付けて無敗記録をJ新の18に伸ばした。

(取材・文 河合拓)

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