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攻めあぐねながらも勝ち点3を手にした川崎F、憲剛「上に向かっていける」

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[10.19 J1第29節 川崎F2-1磐田 等々力]

「何かが起こるところに」蹴り込んだボールは、MF中村憲剛の思惑通りの結果をもたらした。同点で迎えた後半アディショナルタイム4分、憲剛は自らが倒されて得たFKで、「集中して」右足に想いを込めた。「去年のホーム最終戦でもあの辺から決めている記憶もあった。(どうやってゴールしたか)全然わかんなかったけど、入ったからいいんだよ(笑)」。終了間際の劇的なゴール後、得点を挙げたFW大久保嘉人を筆頭に、川崎Fの選手は次々とサポーター席へ駆け寄ったが、憲剛はひとりピッチに仰向けになり、会心の笑顔で喜びを爆発させた。

 12日に行われた浦和とのナビスコ杯準決勝第2戦で腰を負傷した憲剛は、16日の天皇杯を回避し、この日もベンチスタート。「(腰は)結構ギリギリ。勝ってれば今日出たくなかったけど、メンバーに入っている以上言い訳はできない」。攻め続けるもスコアレスで迎えた後半、憲剛がユニフォーム姿になって交代の準備を完了したところで、磐田に先制を許してしまった。「入る直前で失点したので、やることは決まっていた。どうやって得点にするかしか考えていなかった」

 憲剛のトップ下投入、さらにリードした磐田が引いてしまったことで、川崎Fは怒涛の攻撃を開始。引いた位置でパスを配給したり、DFラインの裏に抜けてボールを受けたりと、停滞気味だった川崎Fに憲剛が再び攻撃のスイッチを入れた。憲剛がPA外からゴールを狙う場面もあったが、「久々に思いっきり蹴ったので、予想以上にキックに力がなかった(笑)」というミドルシュートは、ゴール右隅を捉えたもののGKにキャッチされてしまった。

 パスサッカーで磐田を凌駕し、流れの中で多くの決定機を創出したものの、川崎Fのスコアを動かしたのはともにセットプレー。「こういう試合をセットプレー2本でモノにするっていうのは、上に向かっていける」。憲剛がタクトを振るうリーグ最多得点の攻撃陣は、残りの5試合すべてで圧倒的攻撃力を魅せつけるつもりだ。

(取材・文 奥山典幸)

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