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就任1年目で結果と育成の両立を目指す名古屋・西野監督

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 2014Jリーグキックオフカンファレンスが21日、都内で開催され、今季から名古屋グランパスを率いる西野朗監督が就任1年目から結果と育成の両立を目指す考えを示した。

 昨季まで6シーズン指揮を執ったストイコビッチ前監督が退任し、オフには主力選手を大量に放出した名古屋。西野新監督を迎え、世代交代を含めた大きな改革の1年目となる。とはいえ、「長期的な目線を持って取り組むシーズンになるのか?」と聞かれた西野監督は「そんな余裕は与えられていない」と即答。「神戸でそれは感じた。そこがJリーグの指導者の難しいところ。結果を出しつつ、育成とチームづくりを考えないといけない」と語った。

 02年から11年までG大阪で10シーズンにわたって長期政権を敷いた西野監督だが、12年5月にシーズン途中から神戸の監督に就任すると、同年11月に成績不振により解任された。チーム改革に取り組みながら、同時に結果も出さなければならないことは2年前の苦い経験で痛感している。

 特に最終ラインではDF増川隆洋(神戸)、DF田中隼磨(松本)、DF阿部翔平(甲府)が今オフに移籍し、大きく様変わりした。DF田中マルクス闘莉王は健在だが、その他の守備陣はDF牟田雄祐やDF本多勇喜、DF刀根亮輔といった若手ばかり。さらには、練習生としてキャンプから参加している福岡大のDF大武峻を特別指定選手として起用する方針も固めている。

 タイキャンプまでは3バックを採用していた西野監督だが、帰国後、4バックへの変更を示唆。「超一流の選手一人と、ニューフェイス3人の組み方」というDFラインに加え、「中盤も前線も若い」と指摘する。とはいえ、「新入団の選手も、(昨年12月にプロ契約を締結した名古屋U18所属の)16歳の杉森考起も遜色ない。若い選手は楽しみだし、ナビスコ杯もあるので、そういう中で積極的にやりたいなと思う」と、若手への期待も大きい。

「間違いなく成長していくと思うが、チームは結果も出さないといけない。そういう難しさはある」。若手を積極的に起用し、成長させていきながら、チームとして結果も残す。困難なミッションに挑む西野監督は、しかし新たなチャレンジを前にして意欲に満ちた表情を見せていた。

(取材・文 西山紘平)

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