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「ノーリスク」「おもしろくない」それでも敵地で勝ち点1をもぎ取った仙台

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[7.19 J1第15節 柏0-0仙台 柏]

 試合開始2時間ほど前から始まった大雨の影響で、キックオフ時には懸命の水捌け作業も間に合わず、ピッチではボールが水たまりで止まってしまう箇所もあった。その状況を受けて、ベガルタ仙台渡邉晋監督は「完全に割り切って、バックパスはなしで前を向こう」と選手へと指示を送ったという。雨の中でもショートパスをつなごうとする柏レイソルを尻目に、仙台はロングボールに徹した。前半11分にはMF太田吉彰がタッチライン付近まで切り込む前に入れたクロスを、移籍後初スタメンを飾ったMF八反田康平がヘディングで合わせる決定機を迎えた。

 仙台は守っても球際で激しさを見せ、前半の柏は苦戦を強いられた。しかし、ハーフタイムを挟むとピッチコンディションは一変、雨が上がったこともあり水たまりは消滅。息を吹き返した柏が終止攻めたてた。「前半はうちで、後半は相手」。DF角田誠は90分の流れを振り返った。

 ロングボール一辺倒の展開を「ノーリスクなサッカー」とMF武井択也が言えば、DF石川直樹も「おもしろくないサッカー」と述懐する。それでも「やりきって勝ち点1を持ち帰る」(石川)ことを完遂した。

 12日に行われた天皇杯2回戦、関西社会人リーグ1部の奈良クラブに2点を献上してしまったが、失点をゼロで抑えることに成功。渡邉監督は「無失点で、アウェーで勝ち点1をしっかりと取れたことは悪くはない」と及第点を与えていた。

 守備の立て直しに成功した一方、得点力不足は深刻で、得点力はリーグワースト2位の11得点。「点を取らないと勝てない。誰かが無理をしないと。前の選手の頑張りに期待したい」(角田)。攻撃陣の奮起に仙台の浮沈がかかっている。

(取材・文 奥山典幸)

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