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「選ばれる確率は相当低い」…リオ五輪世代、千葉MF井出の決意

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[4.9 J2第7節 千葉 1-0 金沢 フクアリ]

 22歳の若武者が存在感を示した。第2節岡山戦以来の先発出場を果たしたジェフユナイテッド千葉MF井出遥也は右サイドハーフの位置を持ち場としながらも、サイドに張り付くだけではない。ピッチ中央にも頻繁に顔を出してボールを呼び込むと、周囲との好連係で好機を創出した。

 久し振りの先発出場となったが、「コンディションはずっと良かった」。その言葉をピッチ上で体現する。ドリブル突破で守備網を切り裂き、素早く的確なさばきで攻撃にリズムを生む。さらにPA内まで幾度となく侵入して、自らもシュートを放ってゴールを脅かした。周囲との連係に関しては「良い距離感でプレーできたし、流動的にできたと思う」と手応えを口にする一方で、後半13分と同19分に訪れた決定機をモノにできなかったことには悔しさを滲ませている。

「僕が求められているのはゴールやアシストだけど、毎試合のように決定機がある中で決め切れていない。結果を残さない限り、上には行けないし、代表にも関われないので、よりそこにはこだわってやっていきたい」

 94年3月25日生まれの22歳は、リオデジャネイロ五輪世代。当然、リオ五輪本大会を意識している。しかし、手倉森ジャパンの活動では15年2月のシンガポール遠征でメンバー入りを果たしたものの、その後は声が掛かっていないのが現状だ。「呼ばれたときに結果を残せなかったし、そこまでアピールできなかった」と当時を振り返る。

 自身の立ち位置は「選ばれる確率は相当低い」。しかし、ゼロではない。チームメイトのFWオナイウ阿道が1月のAFC U-23選手権(リオ五輪アジア最終予選)のメンバー入りを果たし、今月11日から行われる静岡合宿メンバーにも招集されていることに刺激を受けており、五輪出場は「目標」と力強く語る。

“日本をアピールするチャンス”“世界と戦えるチャンス”“世界につながるチャンス”と語る五輪出場のためにも、今まで以上に結果にこだわると決意を表す。「結果を出していかないといけない。個人の結果がチームの勝利にもつながると思うので、まずは自分が結果を残せるように頑張りたい。フィニッシュの部分で落ち着いて仕留めることができれば、もう一段上のプレーヤーになれると思っている」。まずは千葉で結果を求めて戦い続け、その先にある五輪を見据える。

(取材・文 折戸岳彦)
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