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グランパスは中学時代から行徳瑛を追い掛けていた…山口GM「獲得できなかったら…」

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名古屋でのオンライン会見に応じた行徳瑛

 かつてはFW三浦知良も通い、現在日本代表に選ばれるFW旗手怜央ら多くのプロサッカー選手を輩出してきた静岡学園高。そんな静岡県が誇る名門で今年度のキャプテンを務め、高校No.1ディフェンダーの呼び声高いDF行徳瑛が、名古屋グランパスでプロキャリアをスタートさせることを決めた。

 名古屋には現在、静岡学園高出身者はDF吉田豊が在籍。昨年もDF木本恭生(現FC東京)が在籍したが、高校から直接の入団は、1995年に入団したDF向島満以来になる。

 すでに中学時代から追い掛けていたという。同日、オンライン会見に応じた山口素弘ゼネラルマネージャー(GM)は「当時から恵まれた体格は目を引いていたし、しっかりとした足元の技術もあった。中学でプレーしている時から欲しいなと思っていた」とほれ込んでいたことを明かし、「獲得できなかったら、スカウトの評価に繋がると“脅していた”。行徳君が嫌になるくらい、しつこくくっつけと言っていた」。冗談を連発するたびに、獲得できた喜びが溢れ出ていた。

 実は山口GMにとっては縁のある選手だった。行徳の父親の浩二さんは東海大学出身。同大出身の山口GMとは入れ替わりとなるが、「尊敬する大先輩」で、瑛少年が中学時代に県トレセンでプレーする姿を、一緒に観たことがあるのだという。「『いい選手ですね』、『グランパスにくれませんか』」と当時から“プレッシャー”をかけていたことを明かすと、「間違いなく行徳くんの方がポテンシャルは高いかなと思います」と改めて素材の良さを強調した。

「中学時代は少し大人しい子かなと思ったけど、今年はキャプテンをやるようになって、品格が感じられるようになった。プレミア(リーグWEST)のセレッソ戦(5月14日)。退場者を出した数的不利の状況で、CKからヘッドで点を取って逆転勝ちに貢献したのですが、驚かされるような気迫だった。ネバーギブアップはグランパスの精神にも繋がる。あとはこれだけのポテンシャルの選手をどう伸ばすか。日本を代表するポテンシャルを持っているので、今は責任の重さをひしひしと感じています」

 グランパスにとっても、行徳家とは縁がある。浩二さんは東海大学を卒業後、海外でのプレーを経て、グランパスの前身であるトヨタ自動車工業サッカー部に所属。国内では唯一プレーしたクラブになる。これについては行徳も「トヨタでプレーしていたのは知っていて、縁があるかなと感じています」とはにかむと、「歴史あるクラブで、タイトル争いをするクラブだと思っている」と早くも責任感を強くしている様子だ。

 瑛という名前には「透き通った玉」という意味が込められているという。ちなみに兄は玲さん、弟の珊さんで、全員が王偏の漢字なのだそうだ。「チームで活躍するところを目標にして、いずれはチームを代表する選手になりたい」。17歳の真っすぐな視線。透き通った眼差しで見つめる先は、輝かしい未来しか広がっていない。

静岡学園中時代の行徳瑛

以下、会見での行徳のコメント
「プロと言うのは目標にしてきたので、オファーを頂いて、グランパスと言う素晴らしいクラブに加入できることを嬉しく思います。責任感や立ち振る舞い、行動、言動で示せるようにしていきたいです」

――自身の強みは?
「自分の強みは足元の技術とヘディング。今年はセットプレーからのヘディングで結果に繋がっているので、自信に繋がっています。もともとボランチで守備が得意ではなかったのですが、CBになって守備に意識が向くようになったと思います」

――お父さんについて。
「サッカーを始めたのは父の影響で、小学2年生の時に父がFC岐阜で監督をしている時に始めました。(名古屋に入団が決まった時は)まずはおめでとうと声をかけてもらいましたが、『ここがゴールではない』、『入ってからが勝負だぞ』と言われました」

――残りの高校生活。冬の高校選手権もある。
「全国制覇は目標にしている。インターハイは県の準決勝で敗退して悔しかった。そこからチームとしても選手権に向けて取り組んできた。自分ともう一人、高橋隆大(のG大阪入り)が発表になりましたけど、2人でチームを引っ張って、キャプテンとしても結果と、ピッチ内外も含めて引っ張って、県内の相手もレベルが高くて簡単ではないですが、静学スタイルのサッカーで日本一を目指して戦っていきたいと思います」

(取材・文 児玉幸洋)
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