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大分MF井上健太が高速クロスで先制弾アシスト「自信を持って蹴れている」“喜びすぎ”で肩脱臼も即回復してフル出場

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MF井上健太がクロスボールで先制アシスト

[10.9 J2第40節 横浜FC 2-3 大分 ニッパツ]

 大分トリニータは前半5分、右サイドでバックパスを受けたMF井上健太のクロスボールから、MF梅崎司のヘディングシュートで先制点を奪った。殊勲のアシストを記録した井上は「自分のクロスよりも梅さんがうまく合わせてくれたおかげ」と謙遜しつつ、スタッフの分析への感謝を語った。

 ニアサイドに入ってきた192cmのFW長沢駿ではなく、169cmの梅崎に合わせた鋭いクロスボール。井上によると、その狙いはコーチングスタッフの分析を踏まえたものだった。「ガブリエウ選手を避けることを意識していた。3枚のCBの左右は普段サイドバックをやっている選手なので、狙っておこうということだった」。ニアサイドをケアしていたガブリエウの裏狙いが見事に的中した。

 もっとも、ボールの速さや精度が足りなければ、相手のポジション修正も間に合っていたはず。そこは自身の爆発的なスピードを活かすべく、これまで積み重ねてきた努力の賜物だった。「相手がスピードを警戒して縦を消してくるとクロスは上げやすいし、縦を見せることでクロスを上げられるスペースが空く。良いボールを上げられる練習はしてきたので自信を持って蹴れている」。速さとクオリティー。サイドプレーヤーに求められる二つのスキルがしっかり噛み合ったアシストだった。

 そのゴール後には右肩を押さえてベンチに向かい、スタッフの治療を受ける心配な姿も見られた。「喜びすぎてみんなに抱きつこうとして、駿くんがデカすぎて抱きつこうとしたら外れちゃいました」。理由は“喜びすぎ”による肩脱臼。再発しがちな負傷だが、この日は「トレーナーが(肩を)入れてくれた。入れてもらえれば大丈夫」と無事に解決し、5試合連続となる90分間フル出場を果たした。

 この日の勝利により、大分はJ1参入プレーオフへの出場権獲得が決定。J1からの降格1年目で序盤苦戦しながらも、後半戦10勝8分1敗と浮上してきたチームにおいて、ウイングバックという負荷のかかるポジションで先発出場を続け、そのうえ連戦でも90分走り抜ける規格外のスタミナを持つ井上が果たしてきた役割は絶大だ。

 チームが次に目指すはホーム開催ができる3〜4位でのプレーオフ出場権。福岡大出身2年目のスピードスターは「こういう何かがかかった試合、震える試合が続いているし、そこで自分に何ができるかは自分に課題として課してやっている。ホームで戦えるとなったらすごいアドバンテージだと思うので、最後まで可能性がある限り目標に向かってやっていきたい」と意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)
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