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J30周年記念マッチ主役はFW鈴木優磨!! VARノーゴール判定に怒りの“決め直し”決勝弾、鹿島がオール完封で5連勝

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FW鈴木優磨が決勝ゴール

[5.14 J1第13節 鹿島 2-0 名古屋 国立]

 J1リーグは14日、第13節を各地で行い、鹿島アントラーズ名古屋グランパスを2-0で破った。大観衆の国立ビッグマッチで主役となったのは鹿島FW鈴木優磨。序盤にCKから決めたゴールがVARの介入で取り消されたが、前半のうちにCKから再び決め直し、これが決勝点となってチームを破竹の5連勝に導いた。

 鹿島が5-0で圧勝した30年前と同じカードで行われた「Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ」。鹿島のホーム扱いだが、30年前と同じ茨城県立カシマサッカースタジアムではなく、国立競技場に場所を移しての開催となり、56,020人の大観衆が詰めかけた。試合前には鹿島サポーターから国立開催に反対する横断幕も掲げられた。

 ホームの鹿島は開幕から大きく出遅れたが、現在4試合連続無失点での4連勝中。この好調を維持すべく、前節のC大阪戦(○1-0)から先発1人変更にとどめ、MF名古新太郎が新たに入った。対する名古屋は現在3位と上々のシーズン。大きくメンバーを入れ替えた前節G大阪戦(○1-0)で先発を外れたDF野上結貴、MF米本拓司、FW永井謙佑、FWキャスパー・ユンカーの主力陣が復帰した。[スタメン&布陣]

 試合はビッグマッチらしい拮抗した立ち上がり。それでも前半12分、鹿島が先に試合を動かした。右からのCKをMF樋口雄太がファーサイドに送り込むと、FW鈴木優磨が名古屋守備ブロックの外からヘディングシュート。ニアポスト脇に見事に叩き込み、鈴木は天に指差すパフォーマンスで自身のゴールを祝った。

 ところが、ここでビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入。樋口がCKを蹴る直前、鈴木がMF稲垣祥に腰を出して妨害していたことが映像で確認され、木村博之主審がオンフィールド・レビューを行った。その結果、飯田主審は鈴木のファウルと判定。再びCKから試合は再開され、2度目はMFディエゴ・ピトゥカのヘッドが枠を外れた。

 それでも前半29分、今度は正真正銘のゴールが決まった。再び鹿島は右からのCKを獲得すると、樋口のキックに合わせたのはまたしても鈴木。強烈なヘディングシュートをゴール右隅に押し込み、鹿島が先制した。鈴木は木村主審に詰め寄りながらゴールパフォーマンス。1点目を取り消された不満をあらわにしながら天に指を突き上げた。

 ビハインドとなった名古屋は局面で上回れない厳しい構図が続く中、前半38分には左サイドを突破したFWマテウス・カストロのクロスにユンカーが頭で合わせるも、これはDF関川郁万に頭でブロックされる。さらに同41分には米本のミドルシュートも関川が頭で阻止。鹿島の5番を背負う闘将が魂のディフェンスを見せた。

 なおも優勢の鹿島は前半アディショナルタイム1分、鋭い攻守の切り替えから右サイドを鈴木が駆け上がり、緩急をつけたドリブルで相手のプレッシャーをかいくぐり、ペナルティエリア右にクロスボールを供給。これに反応したMF仲間隼斗がボレーで狙うも、惜しくも枠を外れ、そのまま鹿島の1-0リードでハーフタイムを迎えた。

 後半はやや名古屋が盛り返したものの拮抗した展開は変わらず、8分に名古屋の長谷川健太監督が最初の交代。MF内田宅哉に代わってMF和泉竜司を投入した。一方の鹿島も12分、仲間とDF広瀬陸斗を下げてMF佐野海舟とDF常本佳吾を入れ、負傷明けの佐野は6試合ぶりの復帰となった。

 負荷の高い展開で両チームともに選手交代が続く中、名古屋がマテウスのプレースキックや和泉のミドルシュートでゴールに迫るが、どれもGK早川友基に阻まれる。後半28分には鈴木が足をつってプレーを続けられず、MFアルトゥール・カイキとの交代でピッチを退いた。

 後半35分、鹿島はカウンターから安西が左サイドを抜け出すも、左足シュートはわずかに枠外。名古屋は同37分、ダイナミックなクロス攻勢から途中出場MF長澤和輝のパスがエリア内の和泉に渡るも、激しいチェックを受けてシュートには至らない。

 すると後半39分、鹿島が再び試合を動かした。早川のロングキックを知念が頭でそらし、カイキとのパス交換からシュートを放つと、これはGKランゲラックに阻まれたものの、素早いボール奪取から二次攻撃を開始。セカンドボールを拾った知念が振り向きざまに左足シュートでネットを揺らした。

 名古屋は後半44分、クロス攻勢からFW酒井宣福に決定機が訪れたが、苦しい体勢から放ったシュートは大きく枠外。最後まで決定機を活かせなかった。試合はそのままタイムアップ。鹿島がオール完封での5連勝で上位を捉えた一方、名古屋は10試合ぶりの黒星で痛い足踏みとなった。

(取材・文 竹内達也)
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