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横浜FC、1年でのJ2降格が決定…“降格枠1”の異例シーズンも最終節敗戦で残留ならず

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横浜FCのJ2降格が決定

[12.3 J1第34節 鹿島 2-1 横浜FC カシマ]

 J1リーグは3日、最終節を各地で行い、横浜FCのJ2降格が決まった。逆転残留のためには大量得点での勝利が必須条件となっていた中、敵地で鹿島アントラーズに1-2の敗戦。来季からJ1が20チームに増えるため、降格枠がたった一つという異例のシーズンだったが、1年でJ2に逆戻りする形となった。

 鹿島はにとってはホーム最終戦。すでにタイトル争いやACL出場権争いからは脱落していた中、これまで先発機会の少なかったDF須貝英大、MF松村優太、FW師岡柊生を先発起用した。対する横浜FCは前節で湘南との残留争い直接対決に敗れ、残留が厳しい状況。同じく先発機会の少ないMF坂本亘基、MF近藤友喜、MF橋本健人を送り込んだ。[スタメン&布陣]

 試合は前半17分、鹿島が先手を取った。中盤でボールを回収した日本代表MF佐野海舟が長い距離を持ち上がってカウンターを先導すると、ゴール前に侵入して左にパス。これを受けた師岡が巧みにループシュートを放ち、これはDFマテウス・モラエスにカバーされたが、FW鈴木優磨が冷静に詰めた。鈴木は今季14点目。得点ランキング5位タイとなった。

 一方の横浜FCはここから前傾姿勢を強め、同20分に鋭いショートカウンターからFWマルセロ・ヒアンが左足シュート。これはGK早川友基のファインセーブに阻まれたが、同25分にはMFカプリーニのFKからマテウスが惜しいヘディングも狙った。同30分過ぎには近藤と橋本のウイングバックコンビが次々に決定機を創出。だが、ゴール前でに精度に欠き、追いつくことはできなかった。

 すると前半41分、鹿島が突き放した。中盤に下がって受けた鈴木が左サイドにパスを送り、これに師岡が反応すると、深い位置からグラウンダーでのクロスを配球。これに横浜FCの守備陣は反応できず、ゴール前を横断したボールがファーの松村に渡り、冷静に右足ワンタッチで押し込んだ。松村はこれが今季2ゴール目。2試合連続の先発起用は今季初となったが、その期待に応えた。

 なおも攻める鹿島は後半5分、鈴木からのパスを受けた松村が右サイドを抜け出し、ハイクロスに鈴木が反応。強烈なヘディングシュートは右ポストを叩いたが、跳ね返りを拾ったMFディエゴ・ピトゥカが左足を振り抜き、強烈なミドルシュートがネットに突き刺さった。

 D・ピトゥカはユニフォームを脱いで喜び、西村雄一主審はイエローカードに提示される。さらにここでビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入。ピトゥカのシュートの軌道上に立っていた鈴木がGKの動きに影響を与えていたとして、オンフィールドレビューの末にゴールは取り消された。規定上、ピトゥカの警告は取り消されず、痛い“脱ぎ損”となった。

 するとここからは鹿島の動きが停滞し、横浜FCが1点を返した。MF三田啓貴のパスカットからショートカウンターを仕掛けると、カプリーニが持ち上がって左足一閃。強烈なミドルシュートをゴール右隅に突き刺した。

 ホーム最終戦を白星で飾りたい鹿島は後半26分、またしても松村のクロスからゴールに迫るも、鈴木のシュートが弱くなってGK永井堅梧に阻まれる。同37分にはピトゥカと途中出場DF広瀬陸斗の連続シュートもGK永井が処理。追加点は奪えない。それでも試合は最後まで動かず、タイムアップ。横浜FCは最下位でのJ2降格が決まった。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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