2月生まれのため、まだ17歳だという。「こんな感じだと思わなかった。緊張しましたね。圧倒された感じがあります」。FC町田ゼルビアの新体制会見に出席したMF高崎天史郎(←QUON FD)は、初々しさ全開の笑顔を弾けさせた。

　QUON FDという名前を初めて耳にするという方も少なくないのではないだろうか。それもそのはず、創設は21年度。新時代を牽引する未来のFOOTBALL高校として活動する千葉県にある新興チームだ。

　1期生として入団した高崎。QUON FDではすでにプロ選手のようなスケジュールで日常を過ごしてきた。練習は10時から12時まで。そして学校の授業を提携するあずさ第一高校で夕方から受ける生活を、3年間続けてきた。

　高崎自身は大阪府出身。中学までセンアーノ神戸、千里丘FCと関西の強豪街クラブで過ごした。そして「留学したい」という希望を叶えるため、高校から千葉県に移ることを決意。「進学するときは学校から心配されました」と苦笑いを浮かべるが、意思を貫き通した。

　転機は高校2年生の時だった。千葉県内で行っていたU-16日本代表合宿にトレーニングパートナーとして“人数合わせ”で参加すると、そこでのプレーがスタッフの目に留まり、翌年3月にU-17日本代表に初招集された。そして4月には早くも、町田への入団内定が発表になった。

　いきなりJ1クラブへの入団となったが、「自分が(QUON FD)一期生で初めてプロになったので、頑張らないとなと思います」と使命感を持って臨むつもりでいる。目標は「まずはJ1で試合に出ること」。FWリオネル・メッシを参考にし続けてきたという自慢のドリブルで、早期のJリーグデビューを掴む。

(取材・文　児玉幸洋)

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