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「屈辱的だった」開幕ベンチで意地のFK弾!! G大阪FW宇佐美貴史「もっと質を上げないと」

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ガンバ大阪FW宇佐美貴史

[2.24 J1第1節 町田 1-1 G大阪 Gスタ]

 10人のFC町田ゼルビアに0-1で追い込まれていた後半39分、ガンバ大阪の劇的な同点ゴールはベンチスタートに葛藤する主将の右足から生まれた。ゴール正面やや左約20mからのFK。FW宇佐美貴史が右足で蹴ったボールはふわりと曲がって落ち、元同僚GK谷晃生の届かないゴール左上に突き刺さった。

 このゴールで試合を振り出しに戻したG大阪は勝ち点1を獲得。敵地とはいえ、昇格組相手の開幕黒星を回避した。

 それでも試合後、宇佐美は「勝てたゲームだった」と厳しく振り返りつつ、殊勲の一撃を冷静に振り返った。

「自分が自分の思うところに蹴れば入ると思った。昨日は良い感じでFKを蹴れていたし、昨日のまま蹴れればと思いながらボールをセットした。あそこに蹴れば入ると思っていた」

「キックはもともと自信があった。動いているボールのキックはすごく自信があったし、止まっているボールのキックはデュッセル(ドルフ)で練習をさせられた。でももう少し質を上げないといけないし、セットプレーから点が生まれるようにしないといけない。去年蹴っていた(山本)悠樹がいなくなってもっと比重も乗ってくると思うので、もっと成長させていきたい」

 その口調からはこの結果への悔しさがにじんでいた。

「ここで負けなかったこと、勝ち点1を取れたことでポジティブになるのも大事だけど、勝てなかったことを危機感を募らせるのが今のチームにとってすごく大事だと思う。負けなかったと一回リラックスするのではなく、勝てなかったことで緊張感を煽っていくほうがいい」。この勝ち点1を前向きに受け止めるつもりはなかった。

 そんな宇佐美だが、この日はG大阪復帰後初の開幕戦ベンチスタート。昨季に続いて主将という立場を担っているだけに大きな葛藤を抱えていた。一昨季に負った右アキレス腱断裂の後遺症も収まり、「大きな怪我をしてからできていなかった動きができていて、コンディションにはめちゃくちゃ自信がある」というだけになおさらだ。

「キャプテンとして開幕のスターターじゃないのは個人的にはものすごく屈辱的だった。でもダニ(ダニエル・ポヤトス監督)が選んだことは尊重したいし、ダニが選んだ選手も僕自身リスペクトはしているけど、その悔しさは途中から出て晴らさないといけないとは思っていた」。この日の同点弾は再起の第一歩。「ポジションをもう一回奪っていくという過程も楽しんでいきたい」と決意を口にした。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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