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大卒開幕J1デビューの町田DF望月ヘンリー海輝「課題を痛感した試合だった」宇佐美FK弾と対人守備で感じたJ1基準

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DF望月ヘンリー海輝

[2.24 J1第1節 町田 1-1 G大阪 Gスタ]

 今季、国士舘大からFC町田ゼルビアに加入したDF望月ヘンリー海輝のJリーグデビュー戦はほろ苦い結果に終わった。J1開幕節のガンバ大阪戦で10人で戦う時間が続いた中、1-1の後半38分に右サイドバックで投入されたが、直後にFW宇佐美貴史のFKが自身の上を越されて失点。さらに終盤には1対1の対応に苦しみ、次々にピンチを招いてしまった。

 試合後、望月は「常に出ることを想定してベンチに入っていたし、あそこで出ることへの嬉しさはあったなか、1人少ない中で何か貢献できればと入った」と高いモチベーションがあったことを明かしつつも、「壁を越えられて点を取られたり、1対1で縦突破されて何度もクロスを上げられたり、あの舞台で自分の力を出し切る力がなかった。1対1の能力を上げることもそうだし、シンプルに課題を痛感した試合だった」と悔しそうに振り返った。

 投入直後に立ち向かって宇佐美のFKについては「もうちょっと高く跳べたんじゃないかとか、もしかしたら配置の面で自分から発信できたこともあったかもしれない」とプレー面での課題に加え、途中出場の選手としてチームに前向きな影響力をもたらせなかったことにも悔いを感じたという。

 試合後、黒田剛監督からは「もっとああいう場面で入った時にチームに対する鼓舞とか、やってやるぞというメンタルを出してチームに貢献できるようにしてほしい」と要求された。たしかに192cmの望月がFKの壁に入ること自体、キッカーには一つのプレッシャーだが、相手は経験豊富な宇佐美。より駆け引きの面での工夫が必要だったと言える。

 望月は「正直、自分のことでいっぱいいっぱいになった部分があった」と振り返りつつ、「僕が壁に入った時も、もっとわかりやすく声を出すことで、宇佐美さんでもちょっとウッとなるかもしれないし、気合いとか見えないものでも相手に影響を与えたかもしれない」と反省。「次からもっと余裕を持って、チームに還元できるものを増やしていきたい」と語った。

 また終盤には宇佐美やDF黒川圭介が次々に自身のサイドを仕掛けてくる中、1対1の対応に大いに苦しんだ。「僕としてはやれると思って臨んだけど、全然やることができなかった。(GKの谷}晃生くんがカバーしてくれてなんとかなったけど、チームとして危ないシーンをいくつも招いてしまった。能力を上げることもそうだし、ああいう場面でやれることを増やさないといけない」。課題ばかりが口をついて出た。

 それでもJ1昇格年で選手層に厚みを増した町田で、開幕節の厳しい展開で出番を与えられたのは期待の表れだろう。「信頼して出してもらった中でああいうプレーをしてしまい、監督・コーチ、ファン・サポーターにも申し訳ないと思う」と苦しみの中でも「僕としては積み上げられたものがキャンプを通してずっとあった」ことへの自信は失わず、次に向かって進んでいくことが求められる。

 大きな洗礼を浴びたJ1デビュー戦。「ずっとテレビで見ていたような存在とマッチアップできることは誇りに思ったし、嬉しかったけど、でもピッチに立つと勝つんだという闘う気持ちが必要。個人としてそれを出して勝つということができなかったことがすごく悔しい」。ただ、学ぶものは大きかったはず。ここから自らの高いポテンシャルをJ1基準に合わせていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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