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プロ初ゴールの大宮MF大山「第一歩が踏み出せた」

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[5.18 ナビスコ杯第5節A組 大宮1-0磐田 NACK]

 試合後のヒーローインタビューでの第一声は「お待たせしました!」だった。大宮アルディージャのMF大山啓輔は、18日に行われたナビスコ杯第5節のジュビロ磐田戦でプロ入り初ゴールを記録し、1-0の勝利に大きく貢献した。

「トップチームに上がって3年目ですが、2年間、点も取れていませんでしたし、出場チャンスもつかめていなかったので。やっとホームのサポーターの前で点を取れたので、自然と出た第一声でした」と、大山は白い歯をこぼした。

 見事なゴールだった。前半25分、中盤でボールを持った大山はMFマテウスにボールを預ける。マテウスがDF奥井諒とパス交換をして前方へ攻め上がって行くと、大山の前にはぽっかりとスペースができた。ビルドアップにかかわった15番は、自然とそこに走り込んでいった。

「右サイドで奥井選手とマテウス選手と良い感じで崩しながら、スペースが空いていたので入っていきました。そうしたら、マテウスから良いパスがきたので、思い切って気持ちで押し込みました。(初ゴールは)やっとっていう思いもありますし、NACK5スタジアムで決められたことがすごく大きなことなので、今後に生かせればなと思います」と、大山は喜んだ。

 このゴールシーン以外にも巧みなトラップで相手をかわしてから攻撃を組み立て、MF横山知伸とも好連係を見せて中盤で相手の攻撃の芽を摘んだ。攻守に存在感を示した下部組織出身の15番だが、「もう少しゲームをコントロールして、後半も自分たちのペースでやりたかったです」と、劣勢になった後半の出来を課題に挙げた。

 首位に立つナビスコ杯だけでなく、リーグ戦でも4位と好調の大宮だが、ホームゲームでは、まだ2勝しか挙げていなかった。3月23日のナビスコ杯、名古屋戦(1-0)以来となる本拠地での勝利で、05年以来となるナビスコ杯の決勝トーナメント進出にも大きく近づいた。「このゴールが勝利につながったことが、一番うれしいです」という大山は、リーグ戦の出場も狙っていく。

「メンバーが大きく変わって、こうして粘り強く勝てたことは、リーグ戦に向けての底上げにもなると思います。これまで期待の声を掛けてもらっていたのに、なかなか試合に出ることもできなくて、もどかしく、やるせない時期もありましたが、一つこれで吹っ切れたというか、第一歩が踏み出せた感じがします」と、3年目の初ゴールを今後の飛躍につなげることを誓った。

(取材・文 河合拓)
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