beacon

びわこ大が塚目2発で逆転成功、初の大臣杯4強入り! 望月監督「こういう勝利が次に生きる」医福大は快進撃続かず

このエントリーをはてなブックマークに追加

びわこ成蹊スポーツ大が大臣杯4強へ

[8.25 総理大臣杯3回戦 新潟医療福祉大1-2びわこ成蹊スポーツ大]

 第46回総理大臣杯は25日に3回戦を行った。新潟医療福祉大(北信越)とびわこ成蹊スポーツ大(関西3)の対戦は、びわこ大が2-1で勝利。前半27分に先制を許したが、FW塚目憂(4年=国際学院高)の2ゴールで逆転勝利を飾り、初のベスト4入りを決めた。

 高い攻撃力を誇る医福大は、1回戦で関西福祉大(関西4)に5-1、2回戦で中京大(東海1)に3-0と複数得点で勝利。快進撃を続けるべく、4-4-2の布陣で3回戦に臨んだ。GKは三文字瑠衣(4年=青森山田高)、4バックはDF沼田皇海(4年=尚志高)、DF秋元琉星(2年=青森山田高)、DF二階堂正哉(4年=青森山田高)、DF神田悠成(3年=青森山田高)が並ぶ。ボランチ2枚はMF野開ディラン(4年=札幌大谷高)とMF沼田航征(3年=FC東京U-18)。左サイドはDF坂岸寛大(3年=横浜創英高)、右サイドはMFオナイウ情滋(4年=正智深谷高/仙台内定)で、2トップはFW田中翔太(3年=青森山田高)とFW小森飛絢(4年=富山一高/千葉内定)となった。

 シードのびわこ大は2回戦から登場。福山大(中国)に2-0で勝利し、3回戦進出を決めた。同じく4-4-2で、GKは原田圭吾(4年=福岡U-18)、4バックはDF南條斎(3年=初芝橋本高)、DF山田祐樹(4年=立正大淞南高)、MF豊田大陽(4年=神戸弘陵高)、DF藤井嵐(2年=立正大淞南高)。ボランチ2枚はMF佐々木啓太(4年=岡山U-18)とMF工藤真人(3年=仙台ユース)が入る。左サイドはMF泉柊椰(4年=神戸U-18/神戸内定)、右サイドはMF高見柊真(4年=大津高)で、FW石橋克之(3年=立正大淞南高)と塚目が前線に入った。

 初めての対戦となった両者は、序盤から探り合いのスタート。医福大は、突破力のあるオナイウと起点になれる小森が攻撃を円滑にさせ、その一方でスペースが空いた左サイドを沼田皇と坂岸が攻め立てる。びわこ大も決定機を作り、前半17分には石橋がPA左に入りこんでシュート。しかし、クロスバーを叩いた。

 均衡が崩れたのは前半27分。医福大は左サイドから打開し、野開が深い位置でPA中央に折り返す。混戦となったボールを小森が体勢を崩しながらマイナス方向に落とし、最後はノーマークの坂岸が左足シュート。ゴールに突き刺し、先制ゴールを奪った。

 だが、びわこ大も食いついていく。前半33分に自陣の左サイドでボールを奪うと、泉がそのままドリブルで運ぶ。アウトサイドのパスで中盤に入れ、石橋が前線に鋭い縦パス。塚目はボールを収めると、相手の隙を突いて右足ミドルを放つ。狙いすましたシュートはゴール右ポストに当たりながら、ゴールに吸い込まれた。

 前半を1-1で折り返すと、びわこ大が後半開始早々に逆転に成功。中盤で細かくパスをつなぎ、PA手前で塚目がボールを収める。ゴールに背を向けた状態から反転しつつ、すかさず右足を振り抜く。またしても正確な軌道を描いたシュートはゴール右隅に突き刺さり、2-1と試合をひっくり返した。

 一転して追いかける展開となった医福大は後半12分、左サイドのタッチラインから神田がロングスローを飛ばす。相手選手の頭に当たり、ファーサイドに飛んだボールを田中がトラップからバイシクルシュート。しかし、ゴールポストを強打し、ゴールとはならない。

 白熱した試合展開の中、後半17分にびわこ大にアクシデント。2得点を挙げた塚目が相手選手と交錯しながら、頭から地面に落下してしまう。試合は一時中断。担架で運ばれ、そのままFW清水一雅(3年=仙台ユース)が投入された。

 同点にするべく攻勢を強める医福大だが、再度ゴールネットを揺らすことはできない。試合はそのまま終了。びわこ大が2-1で勝利し、5回目の大臣杯で初のベスト4進出を決めた。

 難しい試合展開を制したびわこ大。主将の佐々木は「うれしい気持ちが大きいですけど、僕らは初めから日本一を言い続けてきた」と喜びを表しつつ、さらなる高みに目を向ける。「満足することなく、次の試合に向けていい準備をしていきたい」。28日の準決勝では国士舘大(関東1)と対戦する。

 びわこ大の望月聡監督は「本当にテクニックがあっていいチームだった」と相手を認めながら、「よく最後まで粘り強く守ったなと思います」と自軍の選手たちを称える。「今回は圧されながらも本当に苦しんで勝った。こういうのが次に生きてくる。きれいに勝てれば越したことはないけど、苦しみながら勝ち切って、みんなが目指す優勝に近づいたかなと思います」。価値ある勝利を噛みしめた。

 一方、逆転を許した医福大の佐熊裕和監督は「後半立ち上がりの緩さ、アバウトなところで失点したことは悔やむところ」と後半開始早々の失点を振り返る。6回目の大臣杯では蓄えてきた実力を見せつけ、8強入りを果たした。指揮官は「個人もチームもよくなってきているところだったので、勝たせてあげたかった」と悔しさをにじませる。

 その一方で、選手たちの成長には目を細める。「北信越だとアバウトになっても失点することはなかったので、今回しっかり自分のものさしを全国に持ち込んでもっとやるというところを彼らに話した。今までも負けて悔しいっていう思いはあっただろうけど、このくらいだろうという目付きだった。今回は泣いている子もいて、自分たちの力と全国の立ち位置がわかってきて、手が届かないところではないとわかってくれたと思う。今度はインカレ。そこで出場して結果を残すのが当面の目標です」。冬の全国でのリベンジを誓った。

(取材・文 石川祐介)
●第46回総理大臣杯特集

TOP