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インカレ覇者・駒澤大は大臣杯3位フィニッシュ…選手たちは静かに涙「悔しさしかない」

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駒澤大は大臣杯3位入賞

[8.28 総理大臣杯準決勝 大阪学院大1-1(PK4-3)駒澤大]

 昨年度の全日本大学サッカー選手権(インカレ)を制した駒澤大は、総理大臣杯でベスト4進出もPK戦の末に敗退した。試合後には3位入賞の表彰式が静かに開催。3位のメダルを受け取った選手たちの目には涙が浮かぶ。キャプテンマークを巻いたDF相澤佑哉(4年=熊本ユース)は「悔しさしかなかったです」と涙の理由を明かした。

 インカレ制覇を成し遂げた駒大だが、主力は卒業。決勝でスタメン入りした相澤を始め、今年度も名を連ねたメンバーはわずかだった。だが、関東大学1部リーグでは9位に沈んでいるものの、アミノバイタルカップを勝ち抜く。4大会連続の総理大臣杯出場を決めた。

 ベスト4まで勝ち進み、2010年度以来の優勝に近づく駒大は、準決勝で大阪学院大と対戦。前半はスコアレスで折り返すも、後半9分に先制ゴールを食らう。それでも2分後にMF高橋優斗(4年=前橋育英高)がFWウォー・モハメッド(4年=三浦学苑高)のシュートからゴールに押し込み、同点ゴール。1-1のまま延長戦でも決着はつかず。しかし、駒大はPK戦で屈した。

 相澤は「これまで自分がやってきたことができなくて負けた」と振り返る。自身は昨年度インカレ決勝で先発メンバー入りも途中交代。「決勝は個人的にはふがいないプレーで、日本一にはなれましたけど、正直悔しさのほうが全然大きかった。今回も日本一を取るチャンスがあった中でそれが叶わなかった。悔しいですね」。

 夏が終わると再びリーグ戦が再開し、インカレがやってくる。相澤は「リーグ戦で下位にいるので、インカレ圏内まで順位を上げていきたい。インカレで日本一、連覇が最大の目標。そこに向けて、チームでやっていきたい」と力を込めた。

 同点ゴールを挙げた高橋は「延長に入って、自分たちのほうが走り勝てるとは思っていた。でもそこで仕留められなかったことが今回の敗因」と振り返る。全国制覇を成し遂げた翌年は、どうしてもその比較からは逃れられない。「去年はリーグ戦もいい順位まで行って、自分たちの代がそれと比べて劣っていると言われている。4年生含めてチーム全体ですごく悔しい思いが強い。見返すつもりではないけど、今大会で見せつけたかった。みんな日本一を目指していましたし、そこで準決勝で負けて3位という結果で終わったのはすごく悔しい」。

 選手たちを鼓舞し続けた秋田浩一監督は、敗戦を飲み込みつつ、選手たちを見守る姿勢だ。「もうひとつ決勝まで行きたかったんですけど、これが実力。受け入れてやっていくしかない。ただ去年の経験者は少ない。なので、いい経験もできた。もっと上に上がるために必要なことがまだわかっていなかった。これで少し、いろいろ経験してくれたんじゃないかなと思います」。シーズンはまだ折り返し地点。夏が終わっても熱い戦いは続いていく。

(取材・文 石川祐介)
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