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[MOM897]中央大GK猪越優惟(4年)_PK戦で連続ストップ「J内定選手として相応のプレーを」

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.3 第47回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント2回戦 仙台大1-1(PK2-3)中央大 いわぎんスタジアムA面]

 ミスから失点を許した中央大(関東5)は、アディショナルタイムにFW星野創輝(3年=横浜FMユース)の得点で同点とし、土壇場で試合を振り出しに戻す。しかし、延長戦でも決着はつかず、PK戦へ。ここで圧巻のプレーを見せたのが、GK猪越優惟(4年=帝京長岡高/清水内定)だった。

 仙台大(東北1)の4人目のシュートを横っ飛びで弾くと、5人目は左方向に飛んだところを残した足で防ぎ、大きく手を広げ、仲間たちと喜びをわかちあった。宮沢正史監督も「すごかった」と褒める見事な活躍だった。

「4人目のキックは読んでました。PKのポイントじゃないけど、そういうところを掴めてきた感じはあります」

 自信を口にした猪越だが、5人目のセーブについては、「足で止めたこと、練習でもないんすよ」と頭をかくと、「ノッてたんすね。ギリギリまで我慢できたからこそ残せたというのはあります」と笑顔をみせた。

 PK戦はアミノバイタル杯も含めて今季3回目となる。中大はキッカーの選手が蹴り終わると、猪越のもとへ行き、ハグをかわして思いを託す。「すごい力が出るし、うれしい」とみんなの思いも力にして、次のステージへチームを導いた。

 今大会の出場選手で、J内定が決まっているGKは立正大の杉本光希(4年=磐田U-18/磐田内定)と常葉大の中島佳太郎(4年=磐田U-18/磐田内定)と猪越の3人。「僕らは内定選手として注目されてる身。それ相応のプレーをしないとエスパルスに失礼」と意識高く臨んでいる。

 それだけにこの日のミドルシュートでの失点にも「あそこを止めないと、即戦力としてエスパルスに行ったときに、使ってもらえない」と危機感を口にする。

 次の相手は関西学院大。猪越が狙う「無失点での日本一」を達成するには越えなくてはならない壁だ。多彩な動きを見せる関西王者に猪越が立ちはだかる。

(取材・文 蟹江恭代)
●第47回総理大臣杯特集
蟹江恭代
Text by 蟹江恭代

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