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[MOM899]関西学院大DF濃野公人(4年)_自画自賛の先制点&2アシスト「モチベーションを高めることが僕には求められてる」

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.6 第47回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント3回戦 中央大1-4関西学院大 いわぎんスタジアムA]

 頼れる主将・濃野公人(4年=大津高/鹿島内定)が、チームを勝利へと牽引した。まずは前半15分にDFを背負いながらパスを受けたFW小西春輝(2年=鳥栖U-18)が右サイドへパス。これを濃野が「パーフェクトな、自分の中でもイメージの軌道にのった」と自賛するふわっとGKの頭上を越すシュートで先制する。

 後半8分に失点を喫するが、嫌な流れを一気に引き戻したのは濃野がお膳立てした得点だ。MF高木大輝(4年=京都橘高)とのパス交換から濃野が上げたクロスをFW小西がヘッドでしとめる。「チームのギアをぐっとあげてくれたゴール」と後輩を称える得点の形は、練習通り。

 3点目は後半20分、MF長尾優斗(4年=G大阪ユース/水戸内定)の縦パスに濃野が一気に駆け上がり、DFを引き付けながらゴール前に出すと、フリーで待つFW渡邉颯太(4年=草津東高)が冷静に決めて、中央大を突き放した。

 関西選手権を制した関西学院大だが、再開したリーグ戦では苦しんだ。雷の影響でリーグ戦が2試合連続で延期となり、総理大臣杯に向けて思うような準備もできなかった。

「このチームがどうやったらパワーが出せるかを考えたら、一人ひとりの熱を、モチベーションを高めることが僕には求められてる。良い準備はできなかったかもしれないですけど、この大会に掛ける思いはどこよりも話し合ってきた。それをみんながちゃんと理解して、ピッチの中で体現してくれてる」

 ここまでの取り組みの成果が形になったことを手応えとする。

 自信を持って臨んだ昨年のインカレは、ベスト4で敗退。日本一を目指すチームにとって、次は超えなくてはいけない壁だ。「みんなわかってるんで、あとはピッチでその思いをぶつけるだけ」と目線をぶらさず挑む。

 対戦相手の順天堂大(関東4)には、大津高の盟友・MF樋口堅大がいる。「ポジションもかぶってて、高校のとき堅大に負けたくないという思いを強く持って試合や練習に臨んでたんで、同期の中では一番意識してる。次、出てきてくれたら僕はうれしいですね。他にも金子(遼太郎)とか大津出身がいるので、わくわくしてます」とピッチでの再会を心待ちにする。

「大学サッカーと言ったら関東と言われがちですけど、関西にも強いチームがいるぞ」と関西サッカーのプライドを持って戦ってると濃野が力強く話すように、次戦も関東代表を倒して、目標である日本一へ近づきたい。

(取材・文 蟹江恭代)
●第47回総理大臣杯特集
蟹江恭代
Text by 蟹江恭代

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