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[JFA プレミアカップ2014_MOM]柏U-15MF加藤匠人(3年)_流れ引き寄せたポゼッションスタイルの中軸

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[中学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.4 JFAプレミアカップ準決勝 大宮ジュニアユース 1-2 柏U-15 J-GREEN S1]

 特に後半は柏レイソルU-15のポゼッションサッカーを鮮やかに彩った。4-3-3システムのアンカーの位置に入ったMF加藤匠人(3年)はともにポゼッションスタイルを打ち出す大宮ジュニアユースとの準決勝で攻撃を巧みにコントロール。「相手の9番(小林)が自分にマンマークしてきたので前半はあまり受けられなかった。でも後半はいいポジション取ってレイソルらしいサッカーができたかなと思います」と胸を張った。

「予測とか、いいポジション取ったりすることとか、(コーチングスタッフからも)賢いと言われている。上手くパスを散らしたり、チャンスメークで来たらいい」というMFは細かくポジションを修正しながらCB、中盤の選手からボールを受けると、「プレッシャーを引き受けて、自分がプレッシャーを受けたらほかの人がフリーになる」と例え相手が距離を詰めている状況でも慌てることなくギリギリのタイミングでボールを動かして受け手に対するマークを緩めていた。

 そしてボールを受ける前にわずかにチェックして判断しているという縦パスを何本も通して攻撃を活性化。後半3分にFW中村駿太が決めた2点目のゴールも加藤が入れた縦パスが起点だった。前半に関しては本人も反省する通り、決して満足する内容ではなかったが、加藤のプレーが向上するとともにチームも主導権を掌握。「(縦パスは)いつも狙っています。(そのほかのパスについても)あまりきょうは引っかからないで上手く通せたと思います」と満足げな表情で決勝進出を喜んでいた。

 この日の午前中に行われた1次ラウンド最終戦の愛媛ジュニアユース戦では後半20分に右足で勝ち越しミドルを叩き込んだ。「ずっと(スティーブン・)ジェラードのミドルシュートの映像を見ていてやっとイメージ通りに行ったと思います」と微笑む。この日は課題もあったが、自分の目指しているプレーもできた1日だった。5日の決勝で勝利すれば世界大会「マンチェスター・ユナイテッド・プレミアカップ・ワールド・ファイナルズ」への出場が決まる。「世界は速かったり、デカいイメージがある。その中でしっかり自分らしいプレーがしたいと思います」と加藤。中学1年、2年時にそれぞれ経験しているという海外遠征では満足するプレーができなかったというだけに、決勝で勝って、自身が現在、世界でどのくらい通用するのか体感したいところだ。

(取材・文 吉田太郎)

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