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[総体]期待のルーキーも躍動!全国16強・中津東が選手権予選決勝の再戦で逆転勝ち!:大分

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[5.30 全国高校総体大分県予選準々決勝 中津東高 2-1 情報科学高 大分スポーツ公園サッカー場]

 平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技(兵庫)大分県予選準々決勝が30日に行われ、昨年度の選手権予選決勝の再戦となった中津東高情報科学高戦は選手権予選優勝校の中津東が2-1で逆転勝ちした。中津東は31日の準決勝で大分西高と対戦する。

 選手権予選を3年連続で制し、全国大会ではV候補の一角だった青森山田高と郡山高を破ってベスト16。その昨年度から主力6人を残す今年、中津東は過去3年でいずれも敗れていた総体予選準々決勝の壁を突破した。選手権予選を3連覇した過去3年でも果たせなかった夏の4強。松田雄一監督は「夏は8で負けている。(彼らには)ここを自分らで変えたいというのがある」と選手たちの思いを代弁していたが、先輩越えをひとつ成し遂げる大きな1勝。だが、試合後はセットプレーを得意とする相手に対して不用意なファウルやクリアでセットプレーを与えたことについて、指揮官から厳しく指摘されていた。

 0-0の後半7分、情報科学はCB赤峯和紀(3年)の左CKに右MF日野雅斗(3年)が飛び込んで先制点。リードを奪われた中津東は180cmFW松永一輝(3年)が確実にボールを収めて攻撃を組み立て、FW松浪竜希(3年)やMF湯口泰成(3年)が鋭い仕掛けを見せていく。そして13分にDF佐藤剛(2年)の左アーリークロスにMF木下雅喜(3年)がファーサイドから決定的な形で飛び込むなどチャンスをつくったが、シュートを打ちきれないシーンが続いた。また我慢強い守りから素早くサイドや背後へボールを入れてくる情報科学に押し返されるシーンもあった。

 それでも中津東は、複数のJクラブユースからの誘いを断って中津東へ進学したという期待の1年生FW後藤文太ら交代選手たちが流れを変える。後半17分、松永一のポストプレーから交代出場のMF原田誠也(2年)が左サイドを切り崩すと、後藤が右前方へラストパス。これを受けた松浪がDFに足をかけられてPKを獲得する。PKを松浪が自ら右足で決めて同点に追いつくと、20分には相手のキックオフしたボールを「前から追いかけて、ボール奪ってシュートのチャンスができたらいいと思っていた」という後藤がインターセプト。そしてパスを受けた原田が右足ミドルをゴール左隅へ突き刺して勝ち越した。

 情報科学は最終ラインからボールを動かす赤峯やMF高山拓斗(3年)からボールを展開していくが、DF松永康汰やDF山田大雅を中心に隙を見せない中津東に対して効果的な攻撃をすることができず。中津東が再戦も勝利した。松田監督は「去年はハートのある河野(史勇太)、山本(隼斗)がいた。頼ってばかりだった。今年は柱がまだまだ見当たらないかなと。最後のところは紙一重じゃないですか。青森山田、市船とか球際とか厳しいですし、まとめていくリーダーが出てこないと」と厳しい。それでも厳しい試合で勝利に貢献した下級生の躍動、そして先輩たちを越えた自信はいい意味で今後に影響を及ぼすはずだ。後藤は「自分も出て優勝して、全国大会に出られたらいい」と意気込み、原田も「(先輩たちを)越してすぐ自己満足にならずに、次も勝って決勝行って、九州大会、全国大会に行きたい」と誓った。まだまだ満足はしない。混戦の大分で結果を出し続けている中津東は今年、夏も全国に出てよりチームとしての経験を積む。

[写真]中津東は期待の1年生、後藤の活躍もあって逆転勝ち

(取材・文 吉田太郎)
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