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[総体]「全国出たら楽しみ」注目MF中心に抜群の攻撃力備えた草津東、6発快勝で滋賀決勝へ

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[6.4 全国高校総体滋賀県予選準決勝 草津東高 6-0 光泉高 布引グリーンスタジアム]

 平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技(8月、兵庫)滋賀県予選準決勝が4日に行われ、3年ぶりの優勝を狙う草津東高が光泉高に6-0で快勝。守山高と対戦する決勝(6日)へ駒を進めた。
  
 今季、総監督から復帰した小林茂樹監督が「全国出たら楽しみ。どれだけこの攻撃力が通用するか。大学と練習試合しても(本気の相手からも)2点、3点必ず取りますよ。(一方で)2、3点取られますけれども、攻撃は可能性はあると思います」と語り、注目エースのMF山本悠樹(3年)も「(選手権で1勝した)去年よりも攻撃力は上を行っていると思いますし、全国でも点を取れると思っているので狙っていますね。上を」と言い切る。今大会3試合で19得点をたたき出してきている草津東が準決勝でも6ゴール。今年、全国レベルと言えるほどの攻撃力を備えた伝統校が全国へ王手をかけた。

 攻撃のテンポや精度について満足していなかったが、それでも草津東は序盤からギャップへ次々と通すパスとアイディアある崩し、個の力も見せつけて光泉を攻め立てた。まずは7分、俊足MF北川卓(3年)が右サイドを個で打開してラストパス。これをファーサイドから飛び込んできたMF鎌田麓(3年)が頭で合わせて先制すると、10分には山本悠が中央から切り返しを交えたドリブルで持ち込み、最後はFW高橋晃平(3年)との鮮やかなワンツーで抜け出して2点目のゴールを奪い去る。

 その後も中央、サイドから多彩な崩し。それも受け手の動きと山本悠やMF田中悠介(3年)から配球されるパスがピタリと合い、狙って、崩してからシュートまで持ち込むシーンが目立った。また山本悠や北川の突破力も光っていた草津東は26分にも鮮やかな連係からゴール。再三攻撃参加を見せていた右SB上林聖矢(3年)を活用した崩しから、最後は中央で鎌田が決めて3-0と突き放した。後半も開始35秒に左の鎌田からのラストパスを山本悠が合わせて4点目。対して、FW土野池航平(3年)やMF安田亘佑(3年)がボールを繋いで敵陣へボールを運ぶ光泉も反撃する。後半4分には相手のミスを突いて敵陣でインターセプトした土野池がGKを外してゴールへ迫るが、草津東はCB倉田拓実(2年)がクリア。光泉は9分にもMF{{余吾大地}(3年)が放った右足FKがGKの頭上を突いたが、GK吉川翔太(3年)がパンチしたボールはクロスバーを叩いてゴール上方へ外れてしまった。

 光泉は終盤にも右SB沖中峻平(3年)のオーバーラップから相手ゴールを脅かすシーンをつくったが、この日は終始、草津東が会場を沸かし続けた。後半も11分に交代出場のMF澤嵩明(2年)がスピード豊かなドリブルで2人かわしてポスト直撃の右足シュート。12分には山本悠のスルーパスで抜け出した高橋が切り返しから左足で5点目のゴールを奪った。さらに18分にも敵陣でインターセプトした山本悠がすかさず相手の背後を突くラストパス。これに反応した高橋が左足で6点目のゴールを沈めた。この後さらに突き放すことはできなかったが、それでも接戦を勝ち抜いてきた光泉にシュート計21本を浴びせて快勝した。

 1月の全国高校選手権では2回戦で全国高校総体優勝校の東福岡高(福岡)に0-3で敗戦。局面でのスピードなど通用する部分もあったが、迫力ある攻撃の前に差をつけられた。小林監督は「それを追い越さないと(全国で)勝てない」と全国トップクラスのチームをターゲットに強化を進めてきた。当時から山本悠ら主力の半分を残す今年、MF山本琢真主将(3年)が「やっていても楽しいですし、アイディアが豊富で同じイメージを共有できている」というチームになっている。初芝橋本高や洛北高、近大付高というプリンスリーグ関西勢との練習ゲームは全て勝利。大学生相手にも得点を重ねるチームに山本悠は「今まで試合してきて無得点の試合はなかった。プリンスのチームとやってきたけれど、負けていない。点はどんなチームでも大学生でも取れたんで手ごたえがあります」と力を込める。

 別格の存在感を見せる山本悠頼みになることなく、他のポジションにもタレントがそろう。まだまだ全国トップクラス相手にどれだけできるかは未知数。また、昨年から入れ替わったDF陣など守備面の課題を残し、攻撃面でもさらなる向上を果たさないといけないが、期待値は非常に高い。山本琢は「今年は全国でもやれるんじゃないかという期待がありますし、滋賀県だけでなく全国でもやっていきたい」。まず滋賀を制して、全国でも頂点を狙う。

[写真]前半7分、草津東はMF鎌田が先制のヘディングシュート

(取材・文 吉田太郎)
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