beacon

[総体]地元・兵庫凱旋へ!左手首骨折のMF片山が星稜を全国導く決勝弾:石川

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.8 全国高校総体石川県予選決勝 星稜高 1-0 鵬学園高 金沢市民サッカー場]

 1月の全国高校選手権優勝校、星稜高に決勝ゴールが生まれたのは後半終了6分前の29分だった。左サイドを切れ込んだMF根来悠太(3年)からの折り返しを受けたMF片山浩(2年)が「GKが倒れていた。ゴロで打ったら当たると思ったのでちょっと浮かす感じで」右足シュート。これがゴールへ突き刺さり、待望の先制点。名門を全国へ導く決勝点となった。

 ゴールを確認した片山はスタンド方向へ向けて走り出すとベンチ前でジャンプしてチームメートたちと歓喜の抱擁。仲間たちとともにゴールを喜びたいという想いが自然に体を動かした。片山はこの決勝戦の11日前の5月28日に左手首を骨折。翌日にはランニングを始めたというMFだが、怪我もあって今大会は出場機会に恵まれていなかった。準決勝も後半途中からの出場。それでも決勝で先発起用されると、チームが3-5-2の守備的なシステムを採用する中で2年生ボランチは「1対1負けないとかセカンドボールを拾うとか自分の役割だけはやろうと思っていた」と奮闘する。

 決勝では思うようなプレーはできていなかったが、それでも試合終了間際に大仕事。「友達たちが骨折した日に『絶対に頑張れよ』というLINE(無料通話・メールアプリ)をしてくれたのでその思いを仲間に届けるという意味で、自然とスタンドの方に走っていきました」と仲間たちへの感謝のゴールを喜んだ。

 今年の全国高校総体の開催地は兵庫県。片山は「全国に行きたいっていう気持ちはチームで一番強かったと思います」という。中学時代、兵庫県三木市のM.SERIO FCでプレーしていた片山にとって、全国総体は地元へ凱旋する大会になる。それも試合会場は中学時代に3年間練習していた場所も含まれているだけに全国総体への思いは特別だった。

 全国総体への出場権を獲得するという目標はクリアしたが、まずはメンバー入りを果たすためにチーム内での競争を勝ち抜かなければならない。「メンタル面が課題だった。全国でも動じないメンタルをつけて堂々とプレーしたい」。県予選決勝のヒーローはメンタル面でも、技術面でも課題をクリアするために全国までより努力し続けるはずだ。「兵庫でプレーしたい」という気持ちは誰にも負けない。

[写真]後半29分、決勝ゴールを決めた星稜MF片山が喜び爆発

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設ページ】高校総体2015

TOP