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[MOM3920]旭川実FW須見奏詩(3年)_全国メンバー入りにアピール、控え組を主体に臨んだ決勝で1G1A!!

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決勝で1G1Aを記録した旭川実高FW須見奏詩(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.17 インターハイ北海道予選決勝 旭川実高 3-2 札幌光星高]

 ピッチの上でも違いを見せろ。指揮官の期待に応えるプレーが、決勝戦で輝いた。高校総体(インターハイ)の北海道大会は17日に最終日を迎え、旭川実高が優勝を飾った。全国大会の出場2チームを決める準決勝を終えた後にダブルヘッダーで行われた決勝戦は、旭川実、札幌光星高ともに控え組を主体に臨んだが、旭川実はFW須見奏詩(3年)が1得点1アシストの活躍を見せ、延長戦の末にタイトルを手にした。

 得点は、前半に先制された直後のヘディングシュート。右サイドから送られたアーリークロスを高い打点で捉えて同点とした。180センチ近い身長がある須見は「ヘディングは、得意。良いボールが来たので、コースを見て落ち着いて決められて良かったです」と振り返った。ただ、どちらかと言えば、評価につながるのは、決勝点のアシストだ。2-2で迎えた延長戦の後半、試合の途中で前線から右サイドMFに移っていた須見は、独力でサイドを突破。ゴール前に送った低いクロスが決勝点につながった。富居徹雄監督は「まだ身長が伸びているくらい(成長中)。やっと自分を表現できるようになってきた。彼は、特進クラスで勉強もできる。他の進学校も候補に上がっていたが、サッカーをしたいということでうちに来た。性格が優しい子」と遠慮がちで能力を出し切れていないことへのもどかしさを言葉にしつつ、一皮むける期待をかけた。

 主力組で全国切符を勝ち取った準決勝でも、須見は後半21分に右サイドMFとして投入されている。持っている身体能力を強気のプレーで発揮すれば、チームにとって貴重な推進力となる。須見は、決勝戦のアシスト場面について「練習でも監督から自分で行けとよく言われているので、それを思い出して仕掛けてみたら、うまくいった。クロスは、中を見て落ち着いて上げただけ」と振り返った。身体のリーチがあるタイプだが、それを生かす技術や度胸が足りず、仲間を頼るプレーが多くなってしまうのが課題だと、自身でも認識しているというだけに、思い切りの良さが求められる。

 チームの目標は、全国4強。プリンスリーグ北海道で首位を走る旭川実だが、全国大会で勝つためには、チーム内競争の活性化が欠かせない。富居監督からも「13番目、14番目以降の選手層の厚さが大事」と言われており、主軸に名乗りを上げる気概は持っている。チームはインターハイの全国大会に2年連続の出場となるが、昨年は全国大会のメンバーに入れなかった。須見は「競争なので、スタメンを取れるように頑張りたいし、全員で底上げをして全国で戦えるチームになりたい。昨年はメンバー入りできずに悔しい思いをした。絶対にメンバー入りしたい」と、全国大会にかける気持ちを話した。身体もプレーもまだ成長中。今年こそ全国大会で活躍する。決勝戦の活躍は、そのためのアピールの第一歩だ。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校総体2022

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