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ユース取材ライター陣が推薦する「インターハイ注目の11傑」vol.3

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安藤氏が注目するFW山本吟侍(高川学園高2年)

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」男子サッカー競技が24日に開幕する。ゲキサカでは「インターハイ注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣に選手権注目の11選手を紹介してもらいます。第3回は“ユース教授”ことサッカージャーナリストの安藤隆人氏による11人です。

 安藤氏「今年も高校生による真夏の祭典・インターハイがやってきました。各都道府県予選を勝ち抜いた52校の中から、1校1人のルールで11人を選ばせてもらいました。今回のフォーメーションは4-1-2-3。適正と組み合わせを考えた末にこちらのメンバーになりました」

尾野    山本    古田
   押川    土谷
      碇
吉永 多久島  宝納  新谷
      雨野

以下、安藤氏が注目する11名
GK雨野颯真(前橋育英高2年)
184cmの守護神はセービング、ハイボール処理、ビルドアップ、キックとすべての要素で高いクオリティを持っている。ベースが高いだけに、実践経験を積むにつれて安定感は増してきている。

DF吉永夢希(神村学園高2年)
左利きの左サイドバック。タイミングの良い攻撃参加が彼の魅力で、スピードに乗った状態で突破を仕掛けたり、ポゼッションに加わったりと相手の状況を見ながらプレーを変化させられることができる。伸び代十分の2年生だ。

DF宝納拓斗(佐賀東高3年)
左足のフィードの精度は高く、シャープなスウィングからの対角のパスや前線にライナーで通すパスは一見の価値あり。フィジカルも徐々についてきて、守備面でも力強さが加わった。左利きが3人揃ってしまうが、それでも選びたい存在。

DF多久島良紀(青森山田高3年)
昨年から主軸だが、負傷により昨年度の選手権を含む長期間の離脱を強いられた。今年は間違いなく守備の中枢となる存在で、屈強なフィジカルと正確無比な左足を誇り、かつクレバーな対応力が光る。左サイドバック、CBのどちらでも高い能力を発揮できる彼は、守備にはなくてはならない存在だ。

DF新谷陸斗(東山高3年)
チームではCBだが、ここでは右サイドバックに起用をしたい。試合の流れを読む目に長け、的確なポジショニングとコーチングで守備をオーガナイズする彼を右に置くことで、チームとしての引き出しが格段に増える。将来的にはここが適正ポジションだと思っている。

MF碇明日麻(大津高2年)
長身のアンカーは圧倒的な高さと柔らかな足元の技術とパスセンスを兼ね揃え、かつ得点力も高いと言うまさにハイスペックなタレントだ。彼が中盤の底でバランスを取りながらも、機を見た攻撃参加で一気にアタッキングエリアに入り込んで決定的な仕事をこなす。このメンバーなら可変の中枢となれるはずだ。

MF土谷飛雅(昌平高2年)
とにかくうまい、とにかく賢い。昌平ではボランチをやっているが、インサイドハーフも十分にこなせる技術と戦術眼を持っている。ボールを奪う能力とボールキープ力、そしてパス&ランの質が非常に高く、常に動きながら頭をフル稼働させてボールに関わり続けられる。ぜひとも注目して欲しい2年生MFだ。

MF押川優希(帝京高3年)
ボランチからトップ下までショートスプリントを繰り返しながら、激しい寄せと高いボール奪取力を駆使して中盤のプレスの急先鋒となれる選手。技術レベルも高く、相手の間隙を突くドリブルとパスでチームにリズムを生み出す。土谷とのコンビは創造力溢れるものになるだろう。

FW尾野優日(日大藤沢高2年)
チームでは左サイドバックをやっているが、左ウィングに起用しても持ち味を十分に発揮しそうだ。彼の最大の魅力はクロスの質。深い踏み込みとしなやかなスウィングで高速クロスを送り込んでチャンスメークをする。ペナルティエリア脇を取るのが相当うまいウィングとして、クロスだけでなくカットインからのシュートも見てみたい。

FW山本吟侍(高川学園高2年)
昨年は1年生ながら国立のピッチを踏んだ180cmの成長著しいストライカー。躍動感溢れる動きとポストワーク、前線からのプレスを駆使して、前線で起点となる。U-16日本代表でも前線でボールを集約するなど、存在感を発揮。トレーニングマッチではFKを直接沈めるなど、シュートセンスにも期待が集まる。

FW古田和之介(履正社高3年)
チームではFWと右サイドハーフをこなすが、ここでは右ウィングとして期待をしたい。右からのカットインや縦突破はかなりの武器だが、それ以上にワンツーや3人目の動きなど、中央に入っていく動きのバリエーションが豊富で、スムーズなパスワークに加わったり、一発で最終ラインを突破するなど攻撃に大きなアクセントを加えられる存在だ。

執筆者紹介:安藤隆人
 日本列島、世界各国を放浪するサッカージャーナリスト。育成年代を精力的に取材する“ユース教授”。主な著書は『走り続ける才能たち 彼らと僕のサッカー人生』『壁を越えろ 走り続ける才能たち』(いずれも実業之日本社)、『高校サッカー聖地物語』(講談社)。共同制作として、『15歳 サッカーで生きると誓った日』(梅崎司)、『そして歩き出す』(早川史哉)、『ムサシと武蔵』(鈴木武蔵)

●【特設】高校総体2022

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