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[MOM4301]帝京大可児DF堀内祥暉(3年)_183cmCBが展開力発揮し、ゲームメーク

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帝京大可児高DF堀内祥暉は最終ラインでゲームメーク

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.27 インターハイ岐阜県予選準決勝 帝京大可児高 7-0 各務原高 長良川球技メドウ]

 ゴールラッシュを繰り広げたアタッカー陣に目が行く試合展開ではあったが、最終ラインでリスク管理をしながら、帝京大可児高の特徴であるパス回しを支えたDF堀内祥暉(3年)の存在も見逃せない。神戸U-15時代はボランチやトップ下を務めていたため、足元の技術には自信がある。テンポ良くボールを動かしながら、隙を見ては自陣から持ち上がって相手の守備を混乱させていく。

 何より光るのは正確なロングキックだ。この日は前半から試合の主導権を握って、各務原の選手を走らせてきたため、後半になると相手の運動量が落ちるのは想定していた。そこでサイドを変える大きな展開を入れればスライドができず、フリーな状況が作れる。「堀内祥暉のロングボールが一番効いていたので、多くしようと考えていた」と振り返るのはMF吉兼怜真(3年)だ。

 実際、後半2分には自陣でボールを持った堀内が左前方にロングフィードを展開。フリーで仕掛けたMF高田悠志(2年)のボールから、MF棚橋奎斗(3年)が決めている。仲井正剛監督「(後半立ち上がりの)難しい時間帯にロングボールを入れて、流れを持っていってくれた」と話した通り、このゴールで見せた堀内の展開は試合の流れを決定づける意味でも大きかった。

 今でこそ持ち味のキックや183cmの高身長で目立つ堀内だが、中学3年生の時は神戸U-15からU-18への昇格を果たせなかった。進路を探す際、目に留まったのは祖母が暮らす岐阜県の帝京大可児。元々は馴染みが薄いチームだったが、調べると自分がやりたいパスサッカーをしていた。魅力を感じて練習会に参加すると、雰囲気の良さに惹かれて、入学を決意。高校に入ってからは中学時代から4cm身長が伸びたこともあり、高さを買われてCBとなった。

 慣れないポジションに最初は戸惑いを隠せず、リーグ戦でもミスが続いたが、ポテンシャルの高さを評価したセカンドチームのコーチが辛抱強く試合で起用。Aチームでポジションを掴んだ2年目の昨年はプリンスリーグ東海でやられる場面も多かったが、「色んな経験を積ませて貰えたから、今は自信を持ってやれています」。今年に入ってからは苦手としていた身体を張ったプレーも増えて、CBらしくなってきた。

「去年はインターハイ、選手権のどちらも1回戦で負けてしまったので、今年は全国ベスト16、ベスト8を目指している。全国では全く繋げなくて蹴ってばかりだったので、全国の舞台でも繋いで点が獲れるチームになりたい」。目標を果たすためには魅力的なキックを持つ堀内の出来栄えが大きく左右するのは間違いない。次の決勝でも攻守で輝きを放ち、勝利に導く。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2023

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