beacon

「ここで何を掴んで立ち上がるか」。岡山決勝で惜敗の作陽学園は選手権で必ず壁を超える

このエントリーをはてなブックマークに追加

作陽学園高は19年以来のインターハイ出場に届かず。選手権で必ず全国切符を獲得する

[6.11 インターハイ岡山県予選決勝 岡山学芸館高 2-0 作陽学園高 美作ラグビー・サッカー場]

「本当に岡山は作陽じゃなきゃいけない。きょう負けてしまったんですけれども、絶対に選手権で勝って、その後も作陽が絶対に1番になれるようにやっていきたい」

 作陽学園高のキャプテンマークを巻いたMF高峻士朗(3年=ディアブロッサ高田FC出身)は敗戦後、決意を口にしていた。

 内容面で岡山学芸館高と差があった訳では無い。高は、「まだまだ監督とかからすれば、全然できていないことが多いと思いますけれども、これまでのゲームよりは良いゲームができた」と振り返る。

 特に守備面に関しては、ポジションの取り方など酒井貴政監督も評価。立ち上がりにロングスローのこぼれ球から失点したが、その後は拮抗した戦いを続け、前半終盤には押し込む時間帯もあった。そして、選手交代で攻撃にパワーをかけたところで、再びロングスローから失点。実力の拮抗した相手との70分間ゲームで先手を奪われ、2点目も奪われると苦しい展開になってしまう。

 その後、交代出場のMF井手竣介(3年)がボールを引き出し、FW信田大空(3年)の力強い仕掛けなどから再び攻める時間を増やしていたが、慌てて入れたクロスを跳ね返されるなど得点を奪うことができなかった。

 酒井監督は「1点だったら問題ないなとなっていた。延長も考えてのプランだったので今できるベストは尽くしたかなと。ただ、もっとできることを増やしていかないと」と指摘。高も攻撃の精度など課題改善に取り組むことを誓っていた。

 今年、新人戦準決勝で岡山学芸館に1-0で勝利。選手権出場24回、インターハイ出場23回の名門校が、2年連続で県内3冠のライバルを止めた。だが、全国大会出場を争う一戦で再び敗戦。相手の勝負強さを実感することになった。ただし、高は「(岡山学芸館は)勝負強いところはあるけれど、自分たちは勝てない相手ではないと思うので、選手権では絶対に勝って、全国へ行きたい」と言い切る。

 酒井監督は「ここでコケて、何か掴んで起き上がれなかったら何もないので。ここで何を掴んで立ち上がるかというところだと思うので、いかに気を引き締めて選手権へ向けて頭を切り替えてできるかだと思う」。高が「私生活のところからもっと意識高く。サッカーのところもこだわりとか精度上げて、みんなで要求しあって、高め合っていかないといけない」と語っていたように、ピッチ内外で細部から高め合い、選手権でライバルを超える。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

TOP