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涙の191cmCB小泉佳絃。よりリーダーシップを持って引っ張り、攻守で青森山田を助ける

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青森山田高CB小泉佳絃(3年=ウインズフットボールクラブ U-15出身)は敗戦に涙

[7.31 インハイ3回戦 明秀日立高 1-0 青森山田高 カムイの杜公園多目的運動広場A]

 プロも関心を寄せる191cmの注目DFは、試合終了直後から取材対応中も涙が止まらなかった。青森山田高(青森)CB小泉佳絃(3年=ウインズフットボールクラブ U-15出身)は、明秀日立高(茨城)の強力FW石橋鞘(3年)との1対1を止めきって見せるなど、堅守の中心に。また、「この1、2、3回戦では一回も空中戦とか負けなかったですし、自信はあった」という空中戦で対戦相手を凌駕していた。

 攻撃時のセットプレーでも競り勝ち、ヘディングシュートを放つなどその高さは対戦相手の脅威に。だが、1点を奪えないまま迎えた後半アディショナルタイムに1点を奪われてしまう。そこまでほぼ隙なく守っていたが、味方のミスをカバーしようとした小泉のクリアが相手CBの正面へ。そこから縦パス1本でひっくり返され、失点してしまった。

「あの1点で3冠を取れないのは悔しいです。最後の決められたシーン以外は(CB山本)虎とチャレンジ&カバーをできていたと思うんですけれども、あの一瞬で決められるというのは自分たちのツメが全然甘いんだなと実感したのと、自分がセットプレーとかで決めれば一番良かったですけれども、チームを助けられなくて一番悔しいです」

 明秀日立は同じく優勝候補の静岡学園高(静岡)をシュート3本に封じて勝利。警戒はしていたが、相手の球際の強さやカウンターの切れ味はそれ以上だったという。注目DFは、無失点で終われなかったこと、チームを救うゴールを決められなかったことを悔しがった。

 セットプレーについては、「1本1本を惰性でやっていた感じもあったので、その1本をこだわらないと勝てない」と自己分析。今回の黒星を取り消すことはもう、できない。プレミアリーグ再開へ向けて「もっと自分の武器にしていこうかなと思います」と誓っていた。

「自分たちは弱かったと思うので、チームにもベクトルを向けなければいけないと思いますし、まずは自分ですけれども、自分だけになったらいけないと思うので、もっとリーダーシップをもってやりたい」。青森山田を引っ張る一人に。そして、もう悔し涙を流さないように、攻守でチームを助ける存在になる。


(取材・文 吉田太郎)
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