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[デンチャレ]U-20全日本選抜FW小湊絆が後輩たちから決勝点。突き抜けるためにより何でもできる、よりどんな形からでも点を取るFWへ

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U-20全日本選抜FW小湊絆(法政大1年=青森山田高)は決勝点をマーク

[3.2 デンチャレ U-20全日本選抜 1-0 日本高校選抜]

 U-20全日本選抜はデンソーカップチャレンジ5・6位決定戦でFW小湊絆(法政大1年=青森山田高)が決勝ゴール。昨年、日本高校選抜の一員としてデンソーカップチャレンジを戦い、飛躍のきっかけにしたストライカーが1点をもぎ取った。

 後半17分、U-20全日本選抜は左SB島田春人(法政大1年=横浜FMユース)が奪い返しからクロス。中央の小湊が頭で合わせたボールはGKの頭上を越えてゴールネットに吸い込まれた。

 この日、小湊は青森山田高の後輩CB山本虎(青森山田高3年→東洋大)、CB小泉佳絃(青森山田高3年→明治大)とマッチアップ。相手ゴールを守っていたのも、GK鈴木将永(青森山田高3年→東海大)だった。

「練習で何百回とやったヤツらで。やっぱり、ちょっと懐かしかったっすね。(青森山田の)練習を思い出しました」と振り返る。そして、「俺が知らない1年間分が上乗せされてたなっていう感じがしました」と後輩たちの成長を認めたが、白星は渡さなかった。

 小湊は今年1月のJ1クラブ練習参加中に負傷。所属する法政大の練習に一度も参加せずに調整し、ぶっつけ本番で今回のデンソーカップチャレンジに臨んだのだという。コンディションはまだまだ。同学年のライバルFW、内野航太郎(筑波大1年=横浜FMユース)と塩貝健人(慶應義塾大1年=國學院大學久我山高/横浜FM内定)が初戦からインパクトのある動きを見せる中、十分な活躍ができず、チームも5位と悔しい大会に終わった。

 チーム解散時にはリベンジを宣言。「自分はコンディションの部分だったりでグループ3試合は足引っ張ってた部分があったんで、来年、リベンジしたいですね。(コーチの中村)憲剛さんにも、(監督の佐藤)健さんにも、『1年間チームで頑張るんで、来年もU-20でお願いします!リベンジしましょう!』って言ったんですけど」と明かした。

 小湊は昨年の関東大学リーグ戦1部でデビュー戦から3戦連発。U-19全日本大学選抜として出場したアンジェロ・ドッセーナ国際ユース大会は5戦7発で得点王を獲得し、優勝に貢献した。夏の総理大臣杯でも2度のハットトリックと躍動。9月には上級生中心の全日本大学選抜の日韓戦メンバーに抜擢された。

 小湊はトータルバランスの高いストライカー。だが、「基本的に色々なタスクをこなせるとは思ってましたけど、薄っぺらい部分があって。それこそ、裏抜けだったり、ポストプレーだったりとか、どんな形でも点が取れるとは思ったんですけど、その一つにフォーカスをした時に、やっぱり他の選手に比べると凄い劣ってる部分があった」。裏抜けからのシュート、1タッチ弾やヘッド、ミドルシュートに関しても上がいる。何でもできていることに満足せず、一つ一つのプレーに着目し、そのレベルアップを目指してきた。

 法政大で先輩たちと切磋琢磨。また、「1年間通して、リーグ戦だったりとかも苦しい戦いが多かったんで、凄くアバウトなボールとかも多かったんですけども、収める部分だったりとかっていうのは凄く成長したなと思います。今日なんか(負傷の影響で)ちょっと足踏ん張りが利かない部分があったけけれど、ポストプレーとか質っていう部分は上がったんじゃないかなと思います」と語る。

 今年1年は勝負の年だ。プロの練習に参加し、「やれることは少なくないと思ったし、馴染めるなっていうような感覚はありました」と振り返る。「でも、そこから上に行くって考えると、やっぱ突き抜けなきゃいけないですし、馴染むだけじゃプロの世界では生きていけない。高卒でプロへ行った選手よりも4年間プロでの経験が少ないっていうハンデがあるんで。そこはもちろん、大学がプラスであると思って自分を選択しましたし、その選択を正解に変えていけるように時間を有意義に使いたいなと思います」。24年は悔しいスタート。法政大や大学選抜、Jクラブの練習でも多くのことを吸収し、結果に結びつけて突き抜ける。

決勝点に笑顔

(取材・文 吉田太郎)


●第38回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会特集
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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