beacon

涙にくれたMVP ドイツ代表FWマロツァン「個人タイトルはあまり重要ではない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.8 U-20女子W杯決勝 アメリカ1-0ドイツ 国立]

 ドイツ代表のFWゼニファー・マロツァンが、U-20女子W杯2012のゴールデンボール(大会最優秀選手賞)を受賞した。ドイツは決勝でアメリカに0-1で敗れ、大会の準優勝に終わった。それでも10年大会に続き、2度目の出場となったアタッカーは、準決勝の日本戦(3-0)で2点目のゴールを挙げるなど、チームの攻撃をけん引して最優秀選手に輝いている。

 しかし、表彰式を終えたマロツァンは「チームで勝つことの方が重要でした。サッカーはチームスポーツですから、個人タイトルは、あまり重要ではありません」と肩を落とす。

 大会連覇を目指したドイツは、今大会で圧倒的な強さを見せてきた。1失点も喫することなく、決勝の舞台まで勝ち抜き、決勝を戦ったアメリカにもグループステージでは3-0で勝利している。ところが、今大会で喫した唯一の失点で準優勝に終わった。ミックスゾーンに現れたマロツァンは「非常にガッカリしている。素晴らしい大会だったのに、たったの1失点で夢が終わってしまった」と、唇を噛んだ。

 ビハインドを背負って戦ったのは、今大会で初めてのこと。それでも、失点を喫したことによる心理的な影響はなかったと振り返る。「相手が得点する可能性は、これまでの試合でもありました。今日の試合で失点を喫して、試合は難しくなりました。それでも失点したときに、どう対処すればいいかは分かっていました。やるべきことをすべてやりましたが、今日は私たちに運がありませんでした」。

 この試合に敗れたことがキャリアにおいてはプラスになるかと問われると、「そうしなければいけない」と言い「私は負けたときこそ、最も学べると思っています。特に今回のような負け方をすると…。だから、この敗戦から多くを学べると思います」と、続けた。最優秀選手のトロフィー、そして大きな悔しさとともに、マロツァンは更なる飛躍を誓った。

(取材・文 河合拓)
▼関連リンク
U-20女子W杯2012特集ページ

TOP