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人種差別発言問題から1年…ファーディナンド兄弟が声明を発表

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 マンチェスター・ユナイテッドDFリオ・ファーディナンドとQPRのDFアントン・ファーディナンドが24日、『New Era Global Sports』を通じて共同声明を出した。

 昨年10月23日のQPR対チェルシー戦で、A・ファーディナンドがチェルシーDFジョン・テリーに人種差別発言を受けたとされている。この問題はイングランド代表にまでも大きく影響。テリーは主将をはく奪され、ファビオ・カペッロ監督の辞任につながるなど、大きな波紋を呼んだ。

 7月に行われた裁判ではテリーに無罪判決が下ったものの、FAは独自に処分を科すことを決定。4試合の出場停止と罰金処分を科すと発表した。さらに同選手は9月23日にイングランド代表からの引退を表明している。

 両選手は最初に“事件”からの1年間を振り返っている。

「ロフタスロードでの事件から1年が経ちました。その間に、フットボール界に根付く人種差別の問題がいくつか明らかになりました。これから数か月にわたり、前向きな議論がなされると確信している。我々もフットボール界全体の様々な人種の引退した選手、そして現役の選手と共に議論に参加しようと思っています」

 先週末には、人種差別反対を訴えるキャンペーンの『Kick It Out』のTシャツを全選手が着用した。だが両選手はこのTシャツ着用を拒否。このことについても声明の中で説明している。

「『Kick It Out』キャンペーンについては、これまでに素晴らしい行いをし、認知度を高めてくれたと思います。ですが、時代が移り変わったため、彼らという組織もまた変わる必要があると感じています。『Kick It Out』がフットボール界の人種差別撤廃にふさわしい存在になれるような議論がなされる場があれば、喜んで参加したいと思っています」

 またイングランドサッカープロ選手協会(PFA)とイングランドサッカー協会(FA)の対応にも不満を抱いたようだが、「フットボールの向上と素早い行動のために、彼らとは協力し合いたいと考えています」と解決への協力は惜しまない姿勢をみせた。

 最後は「難しい1年でしたが、QPRとユナイテッドの全てのファンとスタッフに感謝します。特にアレックス・ファーガソン監督、そしてマーク・ヒューズ監督に感謝しています。我々はこの件に関して、もう公の場でコメントすることはありません。これ以降は、フットボールに集中するつもりです」と所属クラブへの感謝の言葉で締めくくっている。

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