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スペイン戦へ結果を求めるスコラーリ 「美しいサッカーは忘れられる」

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 コンフェデレーションズ杯は30日、リオデジャネイロのマラカナンスタジアムで決勝を行い、開催国のブラジル代表と南アフリカW杯を制した世界王者・スペイン代表が対戦する。ブラジルは決戦を翌日に控えた29日の公式練習もすべて報道陣に公開。練習前に記者会見を行ったルイス・フェリペ・スコラーリ監督は時折、笑顔を見せ、ジョークもまじえるなどリラックスした様子だった。

 会見の冒頭、オルガ夫人、そしてスペイン代表について聞かれたスコラーリ監督は「実は体調があまりよくない。咳が出て、熱もあるようだ。(決勝が終わる)日曜の夜から、自宅に帰る月曜の朝までに治さないといけない。そうしないと彼女と抱き合うことも、キスすることもできないからね。スペインについて? 言うことは何もないよ」と、冗談交じりに語った。

 下馬評ではスペイン有利との見方が強いことについて「彼らはEUROを連覇し、W杯も優勝している。6年間、ほぼ同じチームでプレーしているんだ。それは彼らのアドバンテージだ」と認めたうえで、「しかし、我々にも一つ大きなことがある」と指摘。「素晴らしいファンが味方にいることだよ。彼らのおかげで我々は決勝までたどり着くことができた。そして、彼らの力で決勝も勝つことができるはずだ」と強調した。

 内容よりも結果にこだわる。スペイン代表はここ数年、観る者を魅了するパスサッカーで結果も出してきた。ブラジルもまた、結果と内容の両立を求められる。しかし、スコラーリ監督は「ブラジルは1982年のW杯で素晴らしいプレーを見せた。しかし、勝てなかった。スペクタクルを求め、結果を犠牲にしたんだ」と持論を展開。そして、自身が監督を務めた2002年の日韓W杯は内容と結果が両立した大会だったと指摘したうえで、それでも人々の記憶に残るのは結果だけだと力説した。

「(10年の南アフリカW杯で)スペインは素晴らしいサッカーを見せ、しかも優勝した。しかし、我々も2002年のW杯では美しいサッカーを見せたはずだ。7試合で17~19ゴールを決め(実際は18ゴール)、失点も3~5だった(実際は4失点)。そして、すべての試合に勝ち、優勝した。時にはそういうことも可能なんだ。しかし、歴史に残るのは結果だけだ。美しいサッカーをしても、その内容についてはみんな忘れていく。それが私の哲学だよ。好き嫌いはあるだろうけどね」

 会見後の公式練習はいつもどおり全公開で行われ、主力組と控え組に分かれて紅白戦も実施。ウルグアイとの準決勝に先発したメンバーがそのまま主力組に入った。スペイン戦もGKジュリオ・セーザル、DFダニエウ・アウベス、DFチアゴ・シウバダビド・ルイス、DFマルセロ、MFルイス・グスタボ、MFパウリーニョ、MFオスカル、FWフッキ、FWネイマール、FWフレッジの先発が濃厚だ。

(取材・文 西山紘平)

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