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バイエルンがPK戦の末、チェルシーを下しUEFAスーパー杯制覇

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[8.30 UEFAスーパー杯 バイエルン2-2(PK5-4)チェルシー]

 UEFAスーパー杯が30日、チェコ・プラハのエデンスタジアムで開催され、昨季のUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)を制したバイエルン(ドイツ)と昨季ヨーロッパリーグ(EL)王者のチェルシー(イングランド)が対戦した。1-1の後半40分に退場者を出したチェルシーだが、延長前半3分にMFエデン・アザールが勝ち越しゴール。しかし、バイエルンも延長後半アディショナルタイムにMFハビ・マルティネスのゴールで追いつき、PK戦にもつれ込むと、バイエルンがPK5-4で死闘を制し、初のUEFAスーパー杯制覇を成し遂げた。

 互いに今季から新監督を迎えた両チーム。バイエルンを指揮するジョゼップ・グアルディオラ監督とチェルシーに復帰したジョゼ・モウリーニョ監督は、それぞれバルセロナ、レアル・マドリーを率いてリーガ・エスパニョーラでしのぎを削ってきた。バイエルンとチェルシーという対戦カードも因縁めいていた。11-12シーズンの欧州CL決勝で両者は激突。バイエルンはMFトーマス・ミュラーのゴールで先制しながら試合終了間際にチェルシーが追いつき、最後はPK戦の末、バイエルンの本拠地フスバル・アレナ・ミュンヘンでチェルシーが欧州の頂点に立った。

 バイエルンにとってはリベンジの懸かる試合だったが、先制したのはチェルシーだった。前半8分、アザールが中央をドリブルで駆け上がり、2人をかわして右サイドのスペースにスルーパス。MFアンドレ・シュールレのダイレクトの折り返しをFWフェルナンド・トーレスが豪快に右足で叩き込んだ。昨季までバイエルンと同じブンデスリーガのレバークーゼンでプレーしていたシュールレのアシスト。ボールポゼッションではバイエルンが上回っていたが、チェルシーがカウンターからワンチャンスを生かした。

 27日のフライブルク戦(1-1)で負傷したMFバスティアン・シュバインシュタイガーを欠くバイエルンはDFフィリップ・ラームを中盤の底で起用。前半22分にはMFフランク・リベリがFWマリオ・マンジュキッチとのワンツーから右足ミドルを放つが、GKペトル・チェフの好セーブに阻まれる。同38分にはMFアリエン・ロッベンのスルーパスにミュラーが反応したが、シュートはDFガリー・ケーヒルが体を投げ出してブロックした。

 試合を優勢に運びながら前半を1点ビハインドで折り返したバイエルンだったが、後半2分、MFトニ・クロースの横パスを受けたリベリが右足を一閃。弾丸ミドルをゴール左隅に突き刺し、1-1の同点に追いついた。昨季のUEFA欧州年間最優秀選手賞に輝いた背番号7はゴール後、ベンチのグアルディオラ監督のもとへ一直線。新指揮官と抱き合って喜びを爆発させた。勢い付くバイエルンは後半11分、DFラフィーニャに代えてハビ・マルティネスを投入。ラームが定位置の右SBに下がり、ハビ・マルティネスがアンカーに入った。

 劣勢のチェルシーも後半19分、相手陣内でDFダンテのミスからトーレスがボールをカット。ゴール前でラストパスを受けたMFオスカルはGKと1対1の絶好機を迎えたが、GKマヌエル・ノイアーが倒れ込みながらもシュートをブロックし、ピンチを逃れる。バイエルンは後半26分にミュラーを下げ、MFマリオ・ゲッツェを投入。動かないモウリーニョ監督に対し、グアルディオラ監督は次々とカードを切っていった。

 チェルシーは後半33分、MFフランク・ランパードの右CKからDFブラニスラフ・イバノビッチがクロスバー直撃のヘディングシュート。同40分にもランパードのFKにDFダビド・ルイスが頭で合わせたが、今度はノイアーのビッグセーブに阻まれた。立て続けに決定機を逃すと、直後のカウンターのピンチにMFラミレスがゲッツェを倒し、2枚目の警告で退場。土壇場で10人となり、同42分、シュールレに代わってMFジョン・オビ・ミケルがピッチに入った。

 試合は1-1のまま90分間が終了。1年前の欧州CL決勝と同じように延長戦へもつれ込んだ。数的優位を生かしたいバイエルンだったが、勝ち越しに成功したのは10人のチェルシー。延長前半3分、ダビド・ルイスからのスルーパスを受けたアザールが左サイドからドリブルで中に切れ込む。ラーム、DFジェローム・ボアテングをかわして右足を振り抜き、ゴールネットに突き刺した。再び1点を追う展開となったバイエルンは延長前半6分、ロッベンに代えてMFジェルダン・シャキリを投入し、最後のカードを切る。一方のチェルシーは同8分、トーレスに代えてFWロメル・ルカクを投入。10人ながらバイエルンの反撃に粘り強く耐え続けた。

 バイエルンは延長後半3分にマンジュキッチ、同4分にハビ・マルティネスが立て続けに決定的なシュートを放つが、チェフが連続セーブ。チェルシーは延長後半8分、アザールに代えてDFジョン・テリーを投入して逃げ切り体勢に入ると、同13分のリベリの直接FKもチェフが鋭い反応で弾き出した。このままチェルシーが逃げ切るかに思われたが、延長後半アディショナルタイム、バイエルンはDFダビド・アラバの左クロスからこぼれ球をハビ・マルティネスが左足で押し込み、執念の同点弾。土壇場で2-2に追いつき、試合はUEFAスーパー杯史上初めてのPK戦に突入した。

 PK戦ではバイエルンがアラバ、クロース、ラーム、リベリ、チェルシーがダビド・ルイス、オスカル、ランパード、DFアシュリー・コールと、互いに4人目まで全員が成功。迎えた5人目、先攻のバイエルンはシャキリが落ち着いて決めたのに対し、後攻のチェルシーはルカクがノイアーに止められた。PK5-4。バイエルンが1年前のCL決勝のリベンジ達成となるPK戦勝利でチェルシーを下した。初のUEFAスーパー杯制覇で今季初のタイトルを手にしたバイエルン。ドイツ勢としても初めてのUEFAスーパー杯のタイトル獲得となった。


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