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ベルルスコーニ弟が中国資本へのミラン売却事情を語る「私なら360億円を没収する」

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ミランのシルビオ・ベルルスコーニ名誉会長の弟であるパオロ・ベルルスコーニ副会長

 ミランのシルビオ・ベルルスコーニ名誉会長の弟であるパオロ・ベルルスコーニ副会長が、ミラン売却手続きの現状について、イタリアメディア『7ゴールド』のインタビューで持論を明かした。

 これまで、ベルルスコーニ一族が経営するフィニンベスト社がミランの株式の99.93%を所持しており、クラブの実権を握ってきた。新オーナーとなる中国グループ、シノ・ヨーロッパ・スポーツ(SES)へのミラン売却手続きの完了は昨年12月に予定されていたが、中国国外への資金の持ち出す際に中国当局の許可が必要になるとの理由で手続きが間に合わなかった。

 SESが1億ユーロ(約120億円)を保証金として納めることで、3月初めまでに期限延長がされたものの、今回も手続き完了のために必要な残り4億2000万ユーロ(約500億円)を支払うことができなかった。10日までにさらに1億ユーロを納めることで、1か月の猶予が与えられることに決まったが、一連の手続きについてパオロ副会長が持論を述べている。

「あくまで私、パオロ・ベルルスコーニの意見だという事ははっきり言っておく。この中国の投資家グループは長い交渉の末、保証金として合計2億ユーロ(約240億円)を振り込んでいる。ミランを買収したいという意図がなければできないだろう」

 SESが2億ユーロという高額な資金を投資していることを踏まえ、ミラン買収の意志は明確であるが、予期せぬ事態が起こり、手続きが遅れていると説明した。

「我々にも理解しがたい出来事が起こった。手続き完了間近となりながらもストップせざるをえなかった。中国の法律が原因だ」

「この時点で2億ユーロを没収することもできたはずだ。1週間以内に1億ユーロを振り込むことで、売却手続きの完了期限を1か月延ばすという兄の決断は正しいと思う」

 さらに1か月の猶予を与えることを決断したシルビオ名誉会長の判断を支持するものの、約束が守られない場合、自身ならば資金を没収してミランのベルルスコーニ体制を続行させると示唆した。

「だがもし合計3億ユーロ(約360億円)を振り込んでも、手続きを完了できないなら、私だったらSESから3億ユーロを没収して、ベルルスコーニ一族がミランを運営することに決める」

「中国グループとの交渉は破談にすると思う。だが可能性をゼロにするつもりはない。不慮の事態でカウンターを受けたようなものだから、1年後に資金を用意してきたら、私だったら交渉に応じると思う。3億ユーロはもう払ってくれたのだから、残りを計算しようかとね」


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