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コンフェデ杯で輝いた次世代の星ゴレツカ、正しいのはバイエルン移籍かシャルケ残留か…

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コンフェデでブレイクしたレオン・ゴレツカ

 現世界王者ドイツ代表の優勝で幕を閉じたコンフェデレーションズ杯。若手中心の“Bチーム”と称されたチームの中でも一際目を引いていたのが22歳のMFレオン・ゴレツカだ。準決勝のメキシコ戦では素晴らしい2ゴールを挙げ、決勝のチリ戦でも先発出場して“本気の”強豪国相手に確かな存在感を発揮した。この大会でゴレツカが挙げたゴールは3得点。彼は世界中にその才能を見せつけている。

 現在ゴレツカはシャルケに所属しているが、クラブとの契約は来年夏に切れる。彼の活躍が報じられるたび、シャルケはいよいよこの若きMFが去る時が近づいていることを感じているかもしれない。実際、すでに数々のトップクラブがゴレツカに注目しており、バイエルンアーセナルは交渉の準備ができているとも言われている。

 一方でシャルケのクリスティアン・ハイデルSD(スポーツディレクター)は、彼をなんとしてでもチームに引き留めておきたいようで 「MFは売りに出していない」との声明を出している。しかしそれはひとえに賢明な判断とは言えないだろう。このまま手をこまねいていれば、来夏には移籍金なしでバイエルンと契約を結ばれる恐れもあるからだ。

 だが、ゴレツカがW杯出場を見据えるのであれば、過度なプレッシャーや期待とは無縁の今のクラブで引き続き成長を続けるという選択肢もあるかもしれない。彼は長い間ドイツサッカー界の若き逸材としてみなされていたにも関わらず、大小さまざまなケガや病気などで、これまでブンデスリーガの30%近くの試合を欠場してきたのだ。しかし彼は今、シャルケでやっとシーズンを通じてプレーするまでとなった。そればかりではなくコンディションも良好で、次のレベルに向かう準備が整っているのだ。

 彼がシャルケと新たな契約を結ぶか否か、それはまだ誰も分からない。シャルケはチームの再編にとりかかっており、新指揮官にドメニコ・テデスコを抜擢した。若き青年監督はゴレツカをチームに欠かせないピースだとみなしている。

 ドイツ国内では彼の移籍に関し、2018年に無償で失ってしまわぬよう、シャルケは給与の増額と契約解除条項を付与する用意があると報じられている。ゴレツカに多くの時間と多額の金を投資してきただけあって、シャルケもただで彼を失うつもりはないようだ。ミヒャエル・バラック2世とも称されるゴレツカはシャルケユースの最高傑作の一人でもある。

 彼は引き続きシャルケとともに進む可能性もあるが、それでもドイツ人選手にとってやはりバイエルンの誘惑は強い。ブンデスリーガ中から才能豊かなドイツ人選手をかき集めるのが、最近のバイエルンのやり口だ。経営陣が言葉巧みに言い寄ってくることも安易に想像できる。

 それにバイエルンはDFフィリップ・ラームとMFシャビ・アロンソが引退したこともあり、クラブは平均年齢の引き下げを図っている。今夏すでにFWセルジュ・ニャブリやMFセバスティアン・ルディらの獲得を決めているが、この1年の間にMFアルトゥーロ・ビダルも31歳を迎えるため、特に中盤の若返りが必要になってくるのだ。そんな絶好のタイミングでゴレツカが台頭し始めたのだ。得点能力があるだけではなく、彼はすでにシャルケで中盤の複数のポジションをこなせることを証明済だ。まさにバイエルンが欲しい選手の一人であると言えるだろう。

 ゴレツカはコンフェデレーションズ杯前に、バイエルンと合意に至ったとの報道を否定し、大会が終わってから自身の将来を考えるとのコメントをフェイスブックに残している。

 しかしそのコンフェデレーションズ杯で彼は十分すぎるほどに自身の存在を示した。来年にはW杯も開催される。次のステップを見据えるためにも、バイエルンの新加入選手となることは悪い選択肢ではないかもしれない。

文=ピーター・ストーントン/Peter Staunton

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