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今季プレミアリーグで過去最多13人の監督交代…解任後の成績は“おおむね”向上

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解任された指揮官たち

 今季のプレミアリーグではすでに13人の監督交代が行われ、2013-14、17-18、21-22シーズンの10人を上回って史上最多記録となった。なんとか苦境を脱するべく行われた決断の数々は、リーグ側が集計したデータによれば「おおむね報われている」ようだ。

 今月2日、レスター・シティはブレンダン・ロジャース監督、チェルシーはグラハム・ポッター監督の退任をそれぞれ発表。3月26日にはトッテナムアントニオ・コンテ監督も解任されており、シーズン佳境を迎える中で各クラブの監督交代が例年以上に活発に行われている。

 なかでも残留争いを繰り広げている9クラブのうち、シーズン当初から継続して指揮を執っているのは14位ウエスト・ハムデイビッド・モイーズ監督、16位ノッティンガム・フォレストスティーブ・クーパー監督のみ。上位にいながらチェルシーにポッター監督を引き抜かれ、ロベルト・デ・ゼルビ監督を招聘したブライトンは例外としても、下位リーグの動きが激しくなっている。

 もっとも、そうした動きは一定の効果をもたらしているようだ。プレミアリーグの集計データによると、監督交代を経た1試合あたりの平均勝ち点の変化は以下のようになっている。

▼残留争い9クラブの監督交代

・12位 クリスタル・パレス
パトリック・ビエラ(27試合、1.00)
3月17日→ロイ・ホジソン(1試合、3.00)

・13位 ウォルバーハンプトン
ブルーノ・ラージ(8試合、0.75)
昨年10月4日→フレン・ロペテギ(14試合、1.29)

・14位 ウエスト・ハム
監督交代なし(27試合、1.00)

・15位 エバートン
フランク・ランパード(20試合、0.75)
1月24日→ショーン・ダイチェ(8試合、1.38)

・16位 ノッティンガム・フォレスト
監督交代なし(28試合、0.96)

・17位 ボーンマス
スコット・パーカー(4試合、0.75)
昨年8月30日→ギャリー・オニール(24試合、1.00)

・18位 リーズ
ジェシー・マーシュ(20試合、0.90)
2月6日→ハビ・グラシア(5試合、1.40)

・19位 レスター・シティ
ブレンダン・ロジャース(28試合、0.89)
4月2日→クリス・デイビス(暫定、0試合)

・20位 サウサンプトン
ラルフ・ハーゼンヒュットル(14試合、0.86)
昨年11月7日→ネイサン・ジョーンズ(8試合、0.38)
2月12日→ルベン・セレス(7試合、1.14)

 このデータを見ると、監督交代後に5試合以上戦ったチームで成績が下がったのは最下位のサウサンプトンのみ。またサウサンプトンも2度目の監督交代により、前体制時よりも成績が向上しており、いわゆる“解任ブースト”は成功しているように思われる。

 また、いまでは残留争いから大きく抜け出しているが、現在9位のアストンビラも昨年10月21日にスティーブン・ジェラード氏(11試合、0.82)に代わってウナイ・エメリ監督(15試合、1.93)が就任したことで、降格圏から急速な巻き返しに成功した。

 一方、今季の監督交代で唯一失敗と言える状況となっているのが現在11位のチェルシーだ。昨年9月7日にトーマス・トゥヘル氏(6試合、1.67)を解任し、ポッター監督が引き継いだが、22試合の平均勝ち点は1.27と前体制以下。サウサンプトンと同様、2度目の監督交代で巻き返せるかに注目が集まる。

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