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[FA杯]チェルシーがリバプールを下し、6年で4度目のFA杯制覇

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 プレミアリーグの最終節を1週間後に控えた5日、FA杯決勝が行われ、ロンドンにあるサッカーの聖地・ウェンブリースタジアムで、チェルシーとリバプールが激突した。前半11分にMFラミレスのゴールで先制したチェルシーは、後半7分にもFWドログバが追加点を挙げた。その後、FWアンディ・キャロルを投入して、猛反撃に出たリバプールに1得点を許したが、見事に逃げ切り、今季最初のタイトルを獲得した。

 キックオフ前、青と赤の真っ二つに分かれたスタジアムに、イギリス国家の『God Save the Queen』が響く。ドログバとFWF・トーレスの同時スタメンも噂されたチェルシーだが、ロベルト・ディ・マッテオ監督は、ドログバの1トップを採用し、左MFにサロモン・カルーを起用した。対するリバプールのケニー・ダルグリッシュ監督も、FWアンディ・キャロルをベンチに置き、FWルイス・スアレスの1トップで、クレイグ・ベラミーを中盤の右でスタメン起用した。

 一発勝負の決勝戦ということもあり、両チームともに序盤は慎重な試合運びを見せた。それでも前半11分、シーズン終盤に来て復調してきたチェルシーは、MFフアン・マタが相手のミスからボールを持つと、前方のラミレスにパス。絶妙なトラップでGKと1対1になったラミレスは、この決定機をものにしてチェルシーに先制点をもたらした。

 同14分にはリバプールも反撃に出る。右サイドを突破したDFグレン・ジョンソンからのクロスのこぼれ球をベラミーがシュートする。しかし、DFイバノビッチにブロックされて、同点には追いつけなかった。その後も相手のミスを突くチェルシーは、何度かゴールに迫ったが、追加点は挙げられず。対するリバプールは中盤でのミスも多く、決定機をつくることはできなかった。

 前半39分にチェルシーは速攻からドログバがミドルシュートを放ったが、ゴールの左に外れて行った。同41分にはリバプールもMFジェイ・スピアリングのクロスをMFジョーダン・ヘンダーソンがゴール前で折り返し、PA内にいたルイス・スアレスが頭で捉えたが、ボールをコントロールしきれなかった。前半は1-0とチェルシーがリードして折り返す。

 さらに後半7分、MFフランク・ランパードからのパスをPA内で受けたドログバが、DFシュクルティルの股間を抜くシュートを右サイドネットに突き刺して、チェルシーが2-0とリードを広げた。

 リバプールは10分にスピアリングを下げて、アンディ・キャロルをピッチに送り出す。しかし、流れは変わらず。後半15分にはチェルシーのカルーがPA内でボールを持つ。ランパードがオーバーラップしたことで、フリーになってシュートを放ったが、ボールを枠に飛ばせず、リバプールにとどめをさせなかった。同18分にもPA内でMFフアン・マタからのパスを受けたドログバが左足でシュートを放ったが、これはゴール左に外れている。

 その直後の19分だった。チェルシー右SBボシングワにスアレスがタックルし、ボールがゴール中央に流れる。これを拾ったアンディ・キャロルがDFジョン・テリーのマークを外すと左足を振り抜く。強烈なシュートが決まり、リバプールが1点を返した。これで勢いづいたリバプールは、左サイドのスアレスのクロスをアンディ・キャロルが胸で落とすと、走り込んだMFジョーダン・ヘンダーソンがゴールを狙ったが、ボールを枠に飛ばせなかった。同24分にもスアレスのクロスをアンディ・キャロルが落とし、そこにMFジェラードが走り込み、強烈なシュートを放ったが、ボールはバーの上を大きく越えて行った。

 アンディ・キャロルの投入後、完全に試合の主導権を握ったリバプールは、同27分にもPA外からスアレスがシュートを放つが、GKチェフがパンチングで逃れた。同29分にもリバプールはラミレスのパスをカットして左サイドからクロスを上げる。ゴール中央でアンディ・キャロルが合わせようとしたが、チームメイトのベラミーと交錯してしまい、ボールにミートできなかった。同30分にもリバプールは、右サイドのグレン・ジョンソンのクロスにアンディ・キャロルが合わせたが、ボールは枠を捉えきれない。

 流れを変えたいチェルシーは、ラミレスに代えて昨季までリバプールに所属していたMFラウル・メイレレスを投入した。攻勢に出るリバプールは後半33分、ベラミーを下げて、FWカイトを投入する。同37分にはジェラードが右サイドに展開するとルイス・スアレスのクロスにアンディ・キャロルがヘッドで合わせた。ボールはラインを割ったかに思われたが、GKチェフがゴールライン上でパンチング。キャロルとスアレスは喜んだが、審判団はボールはゴールラインを完全に越えていないと判断し、リバプールのゴールを認めなかった。

 その後もリバプールは一方的に攻め続けるが、同点ゴールを挙げられない。90+1分にチェルシーはマタを下げて、MFマルダを投入して、逃げ切りをはかる。90+2分にもリバプールはPA内でキャロルがシュートを放ったが、ジョン・テリーにブロックされて同点ゴールを挙げられない。

 このまま試合は2-1でチェルシーが勝利。カーリング杯に続きカップ戦2冠を目指したリバプールの猛攻に最後まで耐え抜いたチェルシーが、通算7度目のFA杯優勝を達成。初の欧州CL制覇に向けて、弾みをつけた。なお、両チームは3日後の8日もリーグ戦で激突する。

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