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香川がドイツ杯決勝で1得点1アシスト、有終の美で2冠達成

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 ドイツ国内杯の決勝が12日に行われた。MF香川真司の所属するドルトムントはバイエルンと対戦し、5-2で勝利した。ブンデスリーガに続いての2冠を達成。香川は今季最後の公式戦となったファイナルの大舞台で1得点1アシストの活躍をみせ、今季公式戦通算17得点と記録を伸ばした。ドルトムントは1964-65シーズン、88-89シーズンに続いて、ドイツ国内杯では3度目の優勝。ドルトムントが同大会を制するのは23年ぶりの快挙となった。昨季はDF内田篤人が所属するシャルケ04が優勝しており、2年連続で日本人選手の所属するクラブが頂点に立った。なおバイエルンのMF宇佐美貴史はベンチ外となり、出場はなかった。

 移籍先として噂されるマンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督が視察に訪れた目の前で、香川が鮮やかに先制点を奪ってみせた。

 前半3分、GKバイデンフェラーからつないだボールはセンターライン付近でDFにカットされるが、DFピシュチェクがこれを奪い返す。スルーパスを受けたFWレワンドフスキの右サイドへのパスはMFグスタボに当たり、PA右の絶妙な位置へ流れ込む。抜け出したMFブラスチコフスキが折り返すと、走り込んだ香川が左足ダイレクトで流し込んだ。香川の今季公式戦17得点目でドルトムントが先制に成功した。

 しかし、その後のプレーでドルトムントにアクシデント。FWゴメスとの接触プレーでGKバイデンフェラーが肋骨付近を痛めて、試合は約4分間中断。それでも守護神は顔を歪めながらも、ピッチへ戻った。

 その後は1点を追うバイエルンが試合の主導権を握る。MFリベリを起点にチャンスの連続。すると前半23分、リベリの縦パスに抜け出したゴメスがPA内でバイデンフェラーに倒され、PKを獲得する。キッカーを務めるのはMFロッベン。リーグ戦の直接対決では、バイデンフェラーに止められていたが、この日はGKの逆を突き、ゴール右隅へ流し込んだ。1-1と試合は振り出しに戻された。

 追いついたバイエルンはさらに攻勢を強める。前半34分にはリベリの左クロスに飛び込んだDFラームがシュートを狙う。これはバイデンフェラーがストップした。しかしこのプレーの直後、肋骨を痛めていたバイデンフェラーは交代。代わって、GKランゲラクが出場した。同38分にはロッベンのパスからPA右へゴメスに抜け出されるもランゲラクが果敢な飛び出しで止めた。

 耐える時間の続くドルトムントだったが、ワンチャンスをものにし、再び勝ち越しに成功する。前半41分、ゴール正面での混戦から香川に当たったボールがPA左へ流れる。これに抜け出したMFグロスクロイツがDFボアテングに倒されて、PKを獲得。DFフンメルスが放ったゴール右へのシュートはGKノイアーの指先に当たりながらも、ゴール内へ流れ込んだ。ドルトムントが2-1と2度目のリードを奪った。

 さらに前半終了間際の45分には追加点。ロングボールがワンバウンドしたところを相手MFが処理しきれずにクリアミス。こぼれを拾った香川が左足で前線へ絶妙なスルーパス。抜け出したレワンドフスキが右足シュートを決めた。香川のアシストから3-1とダメを押した。ぞのまま前半を折り返す。

 後半開始からバイエルンはMFグスタボに代えて、FWミュラーを投入。しかしドルトムントの勢いを止めることはできない。後半13分には香川を起点に4点目を奪った。中央でボールを奪取して、カウンター。ドリブルで駆け上がった香川が左サイドのブラスチコフスキへパスを送る。ブラスチコフスキは中央の香川を越して、ファーサイドのレワンドフスキへ。相手選手が香川につられたため、フリーのレワンドフスキが強烈な右足シュート。この日2点目を叩き込み、4-1と試合を決定づけた。

 意地をみせるバイエルンは後半23分にはロッベンの左クロスからゴメスがヘディングシュートを狙うが、無情にもクロスバーを叩く。それでも同30分にはリベリが個人技で持ち込むと、PA手前ゴール正面から左足を一閃。4-2に詰め寄った。

 後半36分に香川は交代。代わってMFスベン・ベンダーがピッチへ送られた。同37分にはドルトムントが驚異の5点目。トップ下に入ったMFギュンドガンの右サイドへのスルーパスを一度はノイアーがストップするも、ボールはこぼれる。拾ったピシュチェクの右クロスから最後はレワンドフスキが無人のゴールにヘディングシュート。レワンドフスキのハットトリック達成弾で5-2と再び3点差に持ち込んだ。そのまま逃げ切ったドルトムントが5-2で勝利。ブンデスリーガに続いての2冠を達成した。

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