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“スウェーデンの1ミリ”に米代表監督「サッカーはときに残酷」歴史的な結末に選手もすぐにチェック

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選手が確認するGLTの証拠画像

 女子ワールドカップ決勝トーナメント1回戦・スウェーデン女子代表対アメリカ女子代表は“1ミリ”が明暗を分ける歴史的な結末となった。勝利したスウェーデンの選手も驚きを隠せないなか、敗れたアメリカ代表指揮官は悲痛な胸の内を明かしている。

 3連覇を狙うアメリカはグループリーグで1勝と苦戦しながら、2位で決勝トーナメントに進出。スウェーデンとの8強入りをかけた戦いはスコアレスでフルタイムを迎え、PK戦で決着をつけることとなった。

 PK戦は互いに2人が失敗してサドンデスに突入すると、先攻のアメリカは7人目が失敗。決めれば勝利となったスウェーデンはFWリナ・フルティグがキッカーとなった。フルティグはゴール左にキックすると、GKアリッサ・ネイハーに反応されてセーブされてしまう。しかし、GKが弾いたボールはゴール方向へ。すぐにネイハーは弾き出したが、ゴール・ライン・テクノロジー(GLT)やビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によるチェックでゴールインと認められて勝負あり。スウェーデンの準々決勝進出が決まった。

 国際サッカー連盟(FIFA)による国際映像は試合後、フルティグのキックにおけるGLTのCG映像を放映。その映像ではボールとゴールラインの間に隙間はほとんどなく、まさに“1ミリ”の差でゴールに入っていたことが分かった。勝利したスウェーデンの選手たちも更衣室に戻るとすぐにスマートフォンで映像を確認。ボールとラインの間にある隙間をピンチアウトして見つけると思わず笑みを浮かべ、明暗を分けた判定を振り返っていた。

 一方、敗れたアメリカのブラトコ・アンドノフスキ監督は選手の健闘を称えながら「残念ながらサッカーはときに残酷になる」と肩を落とし、「GLTの画像を見ても入っているようには見えない」とコメント。あまりの際どさから、判定をすぐに受け入れることは難しかったようだ。

 なお、アメリカ出身のヘンリー・ブッシュネル記者は判定について「FIFAからの回答は得られなかった。テクノロジーの誤差に関するコメントはしないようだ。GLTを提供するホークアイ社もメールによる迅速な回答をしていない」と伝えている。



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