[12.13 高円宮杯プレミアリーグ参入戦2回戦 静岡学園高 2-3 大津高 広島一球]

　静岡学園高の10番MF旗手怜央は0-1の後半10分、ファインショットを叩き込んだ。左サイドでSB荒井大からの折り返しを受けると、緩急で相手DFと駆け引きしてから縦へ潜り込んで左足シュート。逆サイドのゴールネットへの一撃を鮮やかに決めたMFは、ゴールラインを越えたところへ滑り込んで笑顔のサブ組選手たちに飲み込まれた。

　この後もPAで相手のタイミングを外してから放った左足シュートやドリブルでの3人抜きなど大津守備陣を大いに苦しめた。だが終盤はマンマークの相手DFを振り払おうとし過ぎたか、運動量が落ちて試合を決めることができなかった。

　1年時から名門・静岡学園で出場機会を勝ち取り、昨年度の全国高校選手権では夏の全国王者・東福岡高から先制ミドルを決めて8強入りに貢献。大会優秀選手にも選出された。そこからまた成長を遂げたMFはドリブルで対峙した選手だけでなく「2人、3人見れるようになった」とカバーに来る相手まで確認して抜きに行くことができるようになっている。そのドリブルでこの日は十分に九州王者・大津の脅威になったが、「イージーミスがあったし判断も課題」と自身に厳しい評価を与えていた。

　熱戦後には高校選抜合宿で一緒だった大津CB野田裕喜主将と言葉をかわした。静岡県予選準決勝で敗退して全国舞台に立つことができない旗手は「終わった後に『お疲れ』と言って、自分からも『選手権優勝して』と言ったんでやってくれると思います」と大津の日本一を期待。G大阪入りする野田が強さと巧さ、速さを兼ね備えた「全国レベル」の選手と評した旗手は、進学する関東大学リーグ1部の順天堂大を経て「4年後プロになれるように頑張っていきたい。(野田と)同じステージでやれればいい」とプロで野田との再戦を目指す。

[写真]後半10分、静岡学園MF旗手が同点の左足シュート

(取材・文　吉田太郎)

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