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[KING of 1v1]新潟や長野、群馬、静岡など各地から参加者…白熱関東予選は駒澤大高の2人が制す

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白熱した関東予選。昨年度選手権出場の駒澤大高から2名が勝ち上がった

 1対1で最強の“一人”を決める「KING of 1v1」高校生大会の関東予選が10日に神奈川県横浜市中区のYC&ACで行われた。九州、関西、東北と行われた予選も今回が最後。ラスト2枠に滑り込んだのは、ともに駒澤大高1年の三田拓希と高田亮太だった。両選手は来年1月9日に埼玉スタジアムで開催される全国大会に出場する。

「KING of 1v1」は縦15m、横8mの特設コートで行われ、試合時間は1試合2分間。ゴールラインから3mの位置にある仮想ペナルティーラインの手前からゴールを決めれば2点で、それ以外はすべて1点となる。ピッチの周囲は壁に囲われており、壁を利用したプレーも可能。サッカーにおいての重要度が高い1対1の場面で勝負を仕掛ける意識を向上させる狙いがある。

 関東予選では各地から精鋭たちが集った。新潟県から参加した金子雄大(1年=新潟江南高)は昨夜、両親とともに新潟を出発。「学校の中では1対1が強い」と豪語する金子は、予選で惜しくも敗退となったが、ヒールリフトで相手をかわしてゴールを決めるなど、随所に光るプレーを見せていた。

 長野県から参加したのは緑川匠(3年=創造学園高)。昨年、全国高校総体に出場した実績を持つ高校でレギュラーを務めており、高校最後の冬はチームとしても全国高校選手権への出場を目指している。埼玉県出身で、大学受験などの予定も合致し、今大会に参加した。

 その他には群馬県から井野大介(3年=前橋商高)が参加。サッカーの名門校に通うが部活動に参加しておらず、群馬県社会人リーグ3部のFCヤキマンズでプレーする異色選手だった。決勝トーナメントまで勝ち上がるなど、実力の片りんを見せていた。

 ただ、今大会を席巻したのは、昨年の全国高校選手権に東京代表として出場した駒澤大高の選手達だった。1年生部員の17名が参加。中には東京ヴェルディジュニアユース出身の西峰ニコラス(1年)や小柳智裕(1年)の名前もあった。16名が進むことが出来る決勝トーナメントにも10名が進出。そしてトーナメントAでは三田が芹澤蒼也(2年=東海大静岡翔洋高)をゴールデンゴール方式の延長戦の末に3-2で勝利。トーナメントBでは高田が西峰との駒澤大高対決となった一戦を5-0で制し、頂点に立った。

 ただしこの予選を振り返る上で、“サッカー王国”静岡県から参戦の東海大静岡翔洋高2年芹澤蒼也の奮闘も触れないわけにはいかない。積極的に練習試合を行うなど、序盤から独特なゲーム感覚を馴染む努力を続けると、予選を3連勝で突破。決勝トーナメントでも安定した戦いぶりで決勝まで勝ち上がった。決勝では勝利目前というところでミスが出て敗れたが、ゲーム後は「悔しいですが、楽しかったです」と気丈に話し、会場をあとにした。

 優勝者2名は来年1月9日に埼玉スタジアムで行う全国大会に出場するほか、12月1日に開催される『プーマナイト』にゲストとして招待されるなど、様々な特典を受けることになる。この日の表彰式ではプーマがオフィシャルサプライヤーを務めるアーセナルとドルトムントのレプリカユニフォームなどが副賞として贈られた。

 三田は「僕はアーセナルが好きで、アレクシス・サンチェスが好き。優勝賞品はとてもうれしいです」と笑顔を弾けさせる。さらに全国大会で優勝すれば、ドルトムントへの観戦ツアーに参加できるとあって、「海外に行ったこともない。海外に行きたいと思うので、それで行ければ一番最高かなと思います」と夢を膨らませていた。

(取材・文 児玉幸洋)

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