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[プリンスリーグ関東]相手が分かっていても「行ける選手」へ、SBタビナス・ジェファーソンが桐光の攻撃にプラスアルファ加える

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[11.26 高円宮杯プリンスリーグ関東第16節 桐光学園高 2-2 前橋育英高 かもめパーク]

 この日は、プラスアルファを発揮できなかった。桐光学園高の左SBタビナス・ジェファーソン主将(3年、川崎F内定)は後半37分に左足の縦パスで勝ち越しゴールの起点に。また「1対1は負けちゃいけない、同じ年代なんで。自分もプライドありますし」という1対1の守備では仕掛けてきた相手をねじ伏せるようなディフェンスでほぼシャットアウトした。

 だが、2-1で迎えた後半アディショナルタイム、相手のサイド攻撃に対し、タビナスは射程圏内にいたボールホルダーをチェックに行くのか、中央を固めるのか一瞬躊躇したことでクロスをファーサイドへ通され、その折り返しを詰められる形で失点。「入る前に周りを見ておいたら前に出れた場面。自分の守備の課題を修正しなければならない」と首を振った。

 加えてタビナスは攻撃面でプラスアルファを加えられなかったことを悔しがる。全国高校選手権の組み合わせ抽選会でタビナスは「FWばかり注目されるじゃないですか。SBですけど守備でも攻撃でも両方で自分の色を出して、DFの選手でも名前残してどんどん上行けるんだぞと見せたい」と宣言し、選手権の主役級の活躍をすることを宣言していた。だが、この日は守備に重きを置きすぎていたこともあってか、思い切り良く攻め上がっていくことができない。狙ってはいたもののの、タイミングを逸して攻撃参加の回数を増やして相手の脅威となることができず、また得意のサイドチェンジの部分でも不満の内容となった。 

 破壊力十分のオーバーラップはタビナスの魅力だが、どの試合でも対戦相手は最大限の警戒をして“危険人物”の前方を塞いでくる。その警戒されている中でも相手の守りに穴を開け、DFを引きずってでも前進し、ゴールをもたらすこと。「分かっていても行ける選手いるじゃないですか。(きょうの自分自身は)全然ダメですね。守備から入るっていうので重心を後ろに置きすぎた。守備が大事と思っていたところで、プラスアルファの攻撃が疎かになってしまった」。タビナスはSBとして守備で相手のサイド攻撃を完全封鎖し、さらに攻撃面で大きなプラスアルファをもたらすことができる選手。それだけに、より注目を集めるであろう今後の公式戦でアグレッシブにプレーし、見る人の想像以上の活躍をしてのける。

(取材・文 吉田太郎)
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