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[NB CHAMPIONSHIP U-16]「勝ちたい」「変わりたい」の気持ち表現。流経大柏が前橋育英を3-0で破り、準決勝進出!

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後半22分、流通経済大柏高はMF奈須琉世(左)が追加点

[9.18 NB CHAMPIONSHIP U-16準々決勝 前橋育英高 0-3 流通経済大柏高 時之栖うさぎ島G]

 U-16(高校1年生)の強豪32チームが優勝を争う“全国大会級”のフェスティバル、「newbalance CHAMPIONSHIP U-16」(静岡県御殿場市・裾野市)は18日午後、決勝トーナメントへ突入。前橋育英高(群馬)と流通経済大柏高(千葉)による準々決勝は、流経大柏が3-0で快勝した。大会最終日の19日には帝京高(東京)対流経大柏、矢板中央高(栃木)対帝京長岡高(新潟)の準決勝と、決勝が開催される。

 流経大柏の榎本貴士コーチ(兄は同校の榎本雅大監督)は試合後、「この2日間でめちゃくちゃ成長している。プリンス、プレミア組がいなくても『俺ら、やれる』と。気持ち良い試合でした。『勝ちたい』『変わりたい』という気持ちが出ていましたね」。今大会、流経大柏はプレミアリーグ、プリンスリーグ関東1部のチームに帯同している1年生10名近くが不在。前日はまさかの黒星スタートとなったが、3試合が組まれたこの日はチャンスを得た選手たちが気持ちの伝わるような戦いぶりで帝京安積高(福島)、静岡学園高(静岡)、前橋育英に3連勝した。

 準々決勝は前半3分、MF奈須琉世の右FKから左SB佐藤悠弥がクロスバー直撃のヘッド。10分には佐藤が左サイド後方からFKを蹴り込むと、FW中野万輝斗がGKと競り合う。最後はこぼれ球をMF穴井栄光が左足で押し込み、リードを奪った。

 前橋育英は今大会、多くの選手に経験させるため、前後半でメンバーを大きく入れ替えながらの戦い。「出た30分でやれるように」(松下裕樹コーチ)求められている中、前半のメンバーは失点から立て直す。ともにトップチームで活動する21年U-15日本代表候補MF石井陽とMF鈴木蓮大のダブルボランチを軸にボールを動かし、相手のハイプレスを掻い潜りながら前進した。

 だが、流経大柏はMF鈴木雄太が抜群の運動量を発揮したほか、前線の選手たちも献身的に走り続けるなど相手に自由を与えない。そして、独特の雰囲気を持つ奈須や推進力のある右SB松本果成が軸となって追加点を目指した。前橋育英はメンバーを入れ替えて迎えた後半開始直後、FW中村太一が完全に抜け出したが、流経大柏GK漆原琉生が1対1をストップする。

 また、流経大柏は今大会のCB福田純平の活躍に触発されたCB張替結飛が好守を連発する。対人の強さを発揮し、この試合はシュートを3本4本とブロック。前橋育英は後半19分にもU-16日本代表CB山田佳の右CKにMF桒田丈翔が決定的な形で飛び込むが、ここも決め切ることができない。

 逆に流経大柏は後半22分、佐藤の右CKを奈須が頭でゴールへ突き刺して2-0。試合終了間際にも交代出場のFW山野春太がカウンターから左サイドを抜け出すと、そのまま中へ持ち込み、右足シュートを右隅へ突き刺す。勝利を確信した流経大柏の控え選手たちはピッチへ飛び出して大喜び。そのまま3-0で勝ち、準決勝進出を決めた。

 山野が「この大会でアピールして自分も上に上がれるように」と語るように、流経大柏の選手たちにとって「newbalance CHAMPIONSHIP U-16」はアピール、成長の場だ。「勝ちたい」「変わりたい」というそれぞれの強い思いが、強豪対決勝利に結びついた。

 松本は「全員でチームのために足を動かして勝利できたのかなと思っています」と語り、「気落ちも乗っていると思うので、(準決勝も)まず勢いで飲み込んで、試合の入りからどんんどん押して行って、上に上がっている選手がいなくても勝てるんだぞと見せたい」と誓った。流経大柏の選手たちは、先行く同級生たちと変わらぬ勝つ力があることを示し、“全国大会級”のU-16大会で頂点に立つ。

(取材・文 吉田太郎)

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