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[MOM4141]神村学園DF吉永夢希(2年)_進化続けるU-16代表。大舞台でスーパーゴール

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神村学園高DF吉永夢希(2年=ソレッソ熊本出身)は得意の左足でスーパーゴール。逆転勝利に大きく貢献した

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.9 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ2回戦 C大阪U-18 1-2 神村学園高 広島一球]

 この半年間で周囲も驚くような進化。神村学園高(鹿児島)のDF吉永夢希(2年=ソレッソ熊本出身)は半年前、まだ先発に定着することができていなかった。だが、早生まれの強力左SBはその後、U-16日本代表候補に初選出され、U17アジアカップ予選も経験。神村学園でも欠かせない存在に成長し、今回のプレミアリーグプレーオフでは2試合連続ゴールと大舞台で大活躍するまでになった。

 初戦は3-5-2の左WB、この日は4-4-2の左SHとして先発。序盤は緊張もあってか、ボールが足につかなかったという。チームもボールを支配される中で10分に失点し、その後も圧倒的に攻められる展開。だが、神村学園は前半のうちに相手の流れを止めると、背番号16のスーパーゴールで同点に追いついた。

 前半43分、敵陣左中間でボールを受けた吉永は縦に仕掛けて左足一閃。「先生たちから『(相手が)嫌がっている』みたいな声が聞こえてきていて、一発振り抜いたら入って良かったです。(シュートの瞬間は)覚えていないですね。インパクトあったので入れば良いなという感じがありました」。ボールは鋭い弾道を描き、逆サイドのネットに突き刺さった。

 有村圭一郎監督も「スーパーゴールでしたね。後ろから上がっていく方が得意で、サイドで1対1になってもなかなか仕事ができるタイプではないので。でも、あの一発は彼のポテンシャルを証明してくれたんじゃないかなと思います」と称賛した一撃。このゴールが神村学園を大きく勢いづけた。

 吉永は後半、左SBへポジションを下げると、より推進力を発揮する。長い距離をスプリントして攻め上がり、高速クロスを配球する。「(SBは)フリーで持てていたので、一番得意なポジションで勝負させてもらえて良かったです。でも、まだ合っていない。FW2人とも良い動き出しをしてくれているので。(課題は)クロスの質ですね」。本人は満足していなかったが、ゴールで重苦しい空気感を一掃し、守備でも健闘した吉永の貢献度は大きかった。

 大会直前には有村監督の鹿児島実高の後輩で、清水などで活躍した元代表DF岩下敬輔氏の指導を受けた。「大きい大会の前に来てくれるありがたい。自分は守備が苦手なのでそこを言ってくれているのでやりやすい。内を閉めながら(相手を)外に出して外で取る。(大会の直前に)教えてもらっていたので、それは頭に入っていた」。苦手だった守備面は着実に改善され、大舞台で連続ゴール。この半年間の成長率はチームの中でも目立つほどだ。

 有村監督は「高校生って不思議ですけど」と驚きつつ、「自信をつけて代表から帰ってきて、そのままのポテンシャルをゲームに発揮してくれている。左足のシュートクロスも脅威なので。(プレーオフで活躍してくれて)良かったです」と成長を認める。

 本人の前向きなメンタリティーも大きい。「代表行って(スプリント力やクロスという)自分の持ち味が分かったので、それをどんどん出せるかなと自信に繋がっていると思います。失敗してもとらわれないという感じなので、逆にミスしたらもっとやらないと、というメンタリティーでやっているのでそれが良い感じなっている」。成長を続けるDFは、選手権で先輩たちにプレミアリーグ昇格の恩返しをする意気込みだ。

「次は3年生のために頑張らないといけないので、3年生のために自分の力を全部出して日本一を取れるように頑張りたい」。そして来年はプレミアリーグ、U17アジアカップ、U-17ワールドカップへ。より上のステージで戦う日常をさらなる成長に繋げる。

前半43分、左足シュートを叩き込んで同点

(取材・文 吉田太郎)
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