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選考合宿3日目の日本高校選抜候補、練習試合で日体大にも勝ち切る

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2本目30+1分、日本高校選抜候補は左SH高足善(前橋育英高3年)が右足PKを決めて決勝点

[1.22 練習試合 日本高校選抜候補 1-0 日本体育大 時之栖G]

 日本高校選抜候補は選考合宿3日目の22日、日本体育大と練習試合(30分×3本)を行った。MF高足善(前橋育英高3年)の決勝点によって1-0で勝利。3-2で勝った前日の流通経済大戦に続き、対外試合2連勝とした。

 日本高校選抜候補はこの日、2年生の3選手が不参加者などの出ていたU-17日本高校選抜候補に合流。日体大戦は36選手のうち、33選手が各30分間プレーした。1本目はGKデューフエマニエル凛太朗(流通経済大柏高3年)、DF山内恭輔(前橋育英高3年)、三橋春希(青森山田高3年)、齋藤駿(前橋育英高3年)、鈴木大翔(尚志高3年)、MF篠田翼(昌平高3年)、真田蓮司(東山高3年)、松橋啓太(東山高3年)、小池直矢(前橋育英高3年)、FW小林俊瑛(大津高3年)、塩貝健人(國學院久我山高3年)の11人が出場した。

 日体大は篠田の兄、MF篠田大輝(1年=昌平高)や194cmFW赤井ウェズリー景太(1年=三菱養和SCユース)らが先発。ファーストプレーからアグレッシブに戦う日本高校選抜が大学生相手に互角以上とも言えるような内容の戦いを見せる。

 声を掛け合いながら、連動した攻守。ゲーム主将の三橋が「まず守備から行こうと監督から言われていて、それができたのはまず良かった」と振り返ったように、チャレンジして入れ替われることも覚悟した上で前からボールを奪いに行き、攻め切られる前にボールを奪い取っていた。

 大学生の鋭い動きに中盤を突破されたシーンや、カウンターからピンチになりかけたシーン、ビルドアップのボールを奪われたシーンがあったことも確か。だが、仲村浩二監督(尚志高)から「チャレンジしての失敗はOKだよ」という声も飛ぶ中、選手たちはミスを怖れずにプレー。根津や真田、小池を軸に奪ったボールをテンポ良く動かす。狭い局面で正確にボールを繋いでサイドを変えていたほか、小林、塩貝が力強くボールを収めて崩しに持ち込んでいた。

 そして、篠田のラストパスに小池が反応し、根津のFKから塩貝がヘディングシュートを放つシーンもあった。だが、ゴールを破るまでには至らない。終盤には三橋から「引き分けで終わりか? 『1』行こう!」という声が飛ぶ。各選手がボールを奪うことへの執着心を見せていた高校選抜候補は相手のセットプレーを弾き返すなど無失点で終えたものの、攻撃では最後の局面で崩し切れずに0-0で1本目を終えた。

 2本目はGK鈴木健太郎(成立学園高3年)、DF徳永涼(前橋育英高3年)、大田知輝(帝京高3年)、井上斗嵩(岡山学芸館高3年)、野頼駿介(桐光学園高3年)、MF高足善(前橋育英高3年)、笠置潤(神村学園高3年)、木村匡吾(岡山学芸館高3年)、廣井蘭人(帝京長岡高3年)、FW福田秀人(米子北高3年)、今井拓人(岡山学芸館高3年)の11人が出場した。

 高校選抜候補は2本目の30分間も無失点。1本目同様、前からの姿勢を継続し、いずれも本職では無い左SB徳永、右SB野頼も柔軟に対応して見せる。14分には木村の左クロスから今井、福田がシュートを狙い、競り合いで打撲した井上に代わってCB新谷陸斗(東山高3年)が投入された後の27分には、廣井のスルーパスで抜け出した野頼がラストパスへ持ち込む。また28分には徳永と高足で左サイドを崩し、福田が右足シュート。だが、コースを突いた一撃はGKのファインセーブに阻まれた。

 それでも30分、右中間の木村が縦へ1タッチのスルーパス。「相手、結構前から来ていたので、あそこも来るかなと思ってちょっとスペースにタッチを置いて、自分は身体小さいので前に入ったら対応できないかなと思って前に入った」という高足がPKを獲得する。このPKを高足が自ら右足で蹴り込み、1-0。「(最終メンバーに入って)海外行けるというのは自分にとっても大きな経験なので、そこに残りたい」という高足の1点によって、2本目を1-0で終えた。

 3本目はGK上林真斗(昌平高3年)、DF都築駿太(流通経済大柏高3年)、多久島良紀(青森山田高3年)、2本目から継続して出場の新谷、坂本翼(大津高3年)、MF吉満迅(尚志高3年)、山田蒼(岡山学芸館高3年)、松橋啓太(東山高3年)、田原瑠衣(大津高3年)、FW山本颯太(前橋育英高3年)、諏訪晃大(桐生一高3年)が出場した。

 出足速く、奪い返しも速い高校選抜候補がボールを保持して相手DFにプレッシャーをかける。山田や松橋がPAへ侵入するなど高い位置で崩しに係わり、田原の仕掛けやSBの攻撃参加も交えてゴールを目指した。だが、やや空回りして自分のプレーが思うようにできなかったという選手も。選考合宿はこの日を含めて残り2日ということもあり、アピールしたいという強い気持ちが結実しなかった。

 それでも新谷、多久島らDFラインを中心に安定した守備を継続。三橋が「まずは個人として選抜に入ること。チームとしては上手いだけじゃなくて、勝ち切れるチームになっていくことが大事なんじゃないかなと思います」と語っていたように、1-0で勝ち切った。日本高校選抜の選考合宿は23日まで。最終日もU-17日本高校選抜候補に勝って、合宿を終える。

(取材・文 吉田太郎)
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