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[MOM4292]岡山U-18MF楢崎光成(3年)_岡山U-12の第1期生。アカデミー9年目の10番が「イメージどおり」のFK弾

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前半28分、ファジアーノ岡山U-18の10番MF楢崎光成(3年=ファジアーノ岡山U-15出身)が右足で直接FKを決める

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.13 高円宮杯プリンスリーグ中国第7節 立正大淞南高 1-2 岡山U-18 松江市営補助競技場]

 前半28分、ゴールまで約20メートルの位置で得たFK。ボールの近くにはMF藤田成充(2年)も立っていたが、ファジアーノ岡山U-18の背番号10を背負うMF楢崎光成(3年=ファジアーノ岡山U-15出身)は「自分が蹴ると決めていた」という。

 立正大淞南高は5人で人壁を作って対応していたものの、「壁はあまり見ていなくて、ゴールだけ見ていました。巻いて、少し落とせば入ると思った」と語るように、静かに狙いを定めていた。エリア外左サイドから右足でカーブをかけたシュートは、ニアサイドのゴール左上スミに鮮やかに決まって2-0。会心の一撃を「イメージどおりだった」と笑顔で振り返った。

 3トップの前線を2列目でサポートしながら、ビルドアップにタイミング良く顔を出してパスを受け、的確につないでチャンスを作り出した。梁圭史監督が「ボールコントロールが良く、ライン間でパスを受けてターンしたり、そこからランニングができる」と語る特徴を発揮しながら攻撃をリード。2-0で前半を終えた岡山U-18は後半立ち上がりに1点を返されたが、楢崎が「相手に流れを持っていかれるときもありましたが、しっかり守り切って、全員がやるべきことをやった」と語る奮闘で第3節以来、4試合ぶりの勝利をつかんだ。

 岡山市出身で、岡山U-12が創設されたときの1期生。そこからU-15、U-18と進み、岡山のアカデミーで9年目を迎える。U-12時代のポジションはFWで、「体の成長が早かったので、裏に抜けたらゴールが決まる感じだった」というが、「U-15に上がり、そのサッカーでは無理だと言われてから、自分で工夫したり、言われたことをちゃんと練習してきた。それぞれの年代のサッカーに適応してきていると思う」という成長曲線を描く。

 学校生活では、日本一のクラスメイトの存在も励みになっている。岡山U-18の選手が通っている岡山学芸館高は、昨年度の高校選手権で初優勝。準々決勝でゴールを決めるなど活躍したMF木下瑠己(3年)とは昨年度に同じクラスで、「刺激になるし、自分もやらなければいけないという気持ちになる。良い環境に身を置くことができています」と表情を引き締める。

 トップチーム昇格を目指す地元出身の生え抜きは、それが簡単ではないことも理解している。「昇格したいですが、難しい競争があり、厳しい世界だと分かっています。でも、大学を経由してでもトップチームに入りたい」。U-18と同じようでも明確に違う、ファジレッドのユニフォームを着てプロの舞台に立つ日を夢見て、さらに努力を積み重ねる決意だ。


(取材・文 石倉利英)
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