[12.17 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16予選リーグ第3節 聖和学園高 1-1 京都橘高 時之栖うさぎ島G]

　逆転での決勝トーナメント進出の可能性を残して迎えた予選リーグ最終節。“東北のドリブル軍団”聖和学園高(東北2、宮城)は前半、「対人の部分には絶対に負けないっていう自信があるし、ヘディングの競り合いも 全然負けるっていう気持ちはないです」というCB川上壱哉(AOBA FC出身)の球際の強さやGK織田隼人の好セーブに支えられ、無失点でのまま試合を進めた。

　また、「自分が決めて、やっぱり良い流れを作りたいっていうのもあった」という川上がCKから先制点。Aチームで活動してきたCBのゴールで決勝トーナメント進出に前進した。1勝1敗で並ぶ関西王者・京都橘高も逆転でのグループ首位を狙って反撃。押し込まれる時間も増えていたが、踏ん張り、奪ったボールを川上やMF井上快人、MF立澤優斗のドリブル、またコンビネーションで前進させる。
　
　2連勝でBグループ首位の東福岡高が日大藤沢高にリードを奪われている状況。勝てば勝ち点6で並ぶ聖和学園はゴールへ向かい続けて得失点差を挽回しようとする。そして、交代出場のFW塩田凌央がPAへ鋭く抜け出し、MF向中野伊吹がドリブルシュートを打ち込んだ。

　だが、1点を奪えないまま迎えた後半35+2分、京都橘FW奥山芯にミドルシュートを決められて1-1で引き分け。1勝1分1敗のBグループ2位で敗退となった。それでも、川上は「みんなで8か月間頑張ってきて、成長が表れた良い大会だったなと思います」と評価。そして、今年の1年生の目標へ向かう力の大きさについて説明していた。

「今年の1年生、やっぱり個は凄く1人1人強くて、まとめたりするのは大変なんですけど、1つの目標にみんなが向かってやると、自分たちは苦しい状態でもチームのために、みんなのためにっていう思いが出て、一致団結することによって、この力ももっと良くなるし、チームとしても1段階、2段階レベルアップしていて、凄く良い学年だなって思います」

　その世代を引っ張る川上は、今回のMIZUNO CHAMPIONSHIP U-16について「色々な代表のチームとやれて自分が成長することもできたと思うし、自分の中ではあまり悔いのないような、自分らしさを全体的に表現できた」大会になったという。ただし、満足することなく、意欲的にビルドアップなどを改善する考えだ。「どの状態からでも1対1勝てるし、ヘディングもできるし、競り合いもできる」DFフィルヒル・ファン・ダイク(リバプール)の動きを参考に自分自身をレベルアップ。そして、聖和学園を必ず全国で戦えるチームにする。

(取材・文　吉田太郎)