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U-17日本高校選抜の活動から個人、チームで飛躍へ。トライ、交流することを求められた高校1、2年生が大学生に6-3で勝利

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1本目37分、U-17日本高校選抜候補がCB田中玲音(東京実高2年、3番)のゴールを喜ぶ

[1.21 練習試合 U-17日本高校選抜候補 6-3 日本体育大]

 21日、高校1、2年生で構成されたU-17日本高校選抜候補が日本体育大と練習試合(40分×3本)を行い、6-3で勝利した。

 U-17日本高校選抜は21年秋に活動をスタート。昨春のメンバーからGK中村圭佑(静岡学園高→東京V)やMF安齋悠人(尚志高→京都)、MF碇明日麻(大津高→水戸)、FW西丸道人(神村学園高→仙台)がプロへ進み、多くの選手が今年は日本高校選抜候補に名を連ねている。

 今回指揮を執る富居徹雄監督(旭川実高)は、「ここから間違いなく、代表なり、プロなりが出てくると思うんですよ。それが少しでも多くなればいいなっていうのが一番です」と語る。U-16での国体後、選抜チームでの経験が減少する下級生にとっては「自分の感覚を一回、こう少し洗い直すというか、そういう部分ではいい活動なのかなと、個人的には思ってます」(富居監督)。トライすること、交流することを求められた選手たちが1年生中心の日体大相手にアグレッシブな戦いを見せた。

 1本目はGK早川ウワブライト(日体大柏高2年)、右SB小沼蒼珠(青森山田高2年)、CB田中玲音(東京実高2年)、CB山本圭晋(帝京長岡高2年)、左SB江頭瀬南(佐賀東高2年)、MF新垣陽盛(神村学園高2年)とMF嶋本悠大(大津高2年)のダブルボランチ、右SH長村星波(瀬戸内高2年)、左SH長璃喜(昌平高1年)、そしてFW久保原心優(市立船橋高2年)、FW日高元(神村学園高1年)の2トップでゲームをスタートした。

 そのU-17高校選抜候補は6分、長村の右CKから「やっぱり選考会なんで、しっかり選ばれて、もっともっと次に繋げたいなっていう思いで来ました」という田中がタイミングの良くニアで合わせて先制。山本が積極的に声がけを続け、新垣や嶋本がボールを奪って攻撃に繋げる。そして、江頭の配球などから長や日高が鋭い仕掛け。34分には、右サイドからドリブルで切れ込んだ長村が左足を振り抜く。こぼれ球を久保原が頭で狙うと、ボールはDFに当たってゴールラインを超えた。

 さらに37分には、長村の右FKをファーの田中が豪快なヘッドでこの日2点目のゴール。青森山田のレギュラー左SBとして選手権日本一を経験した小沼は、「(U-17高校選抜には)山田にないものもたくさんあるので、(質の部分などを)持って帰って、みんなに伝えたいなと思います」と語っていた。試合の中でそれぞれがコミュニケーションを取りながら、また刺激を与え合いながらプレー。2本目以降は濃い霧に覆われ、視界が限られる中での戦いとなったが、その中で選手たちは奮闘した。

 2本目はGK佐々木智太郎(昌平高2年)、右SB杉野太一(桐光学園高2年)、CB鈴木悠仁(神村学園高2年)、CB澁谷陽(旭川実高2年)、左SB岡崎礼暉(関東一高2年)、MF大谷湊斗(昌平高2年)とMF笹修大(札幌大谷高2年)のダブルボランチ、右SH大内完介(尚志高2年)、左SH平林尊琉(前橋育英高1年)、FWオノノジュ慶吏(前橋育英高2年)とFW大石脩斗(鹿児島城西高1年)の2トップで試合に臨んだ。

 U-17高校選抜候補は中盤中央からボールを運ぶ大谷が攻撃をコントロール。大石がDFと入れ替わって決定的なシュートを打ち込み、大内の左足シュートやコンビネーションで局面を打開した平林の仕掛けなどでゴールに迫る。また、鈴木が中心となってDFラインを統率。だが、シュートのこぼれ球を押し込まれるなど0-3で40分間を終えた。

 3本目はGKギマラエス・ニコラス(市立船橋高2年)、右SB富樫龍暉(流通経済大柏高2年)、CB谷口輝(西武台高2年)、CB五嶋夏生(大津高2年)、左SB山田佳(前橋育英高2年)、MF福島和毅(神村学園高1年)とMF宮地陸翔(京都橘高2年)のダブルボランチ、右SH大成健人(神村学園高2年)、左SH木村有磨(履正社高2年)、FW清水彪雅(旭川実高2年)とFW矢崎レイス(尚志高2年)の2トップで試合を始め、GKは途中でGK藤間広希(矢板中央高2年)と交代した。

 3本目は矢島が味方選手と距離感良くポジションを取り、馬力のある動きで局面を突破。福島の配球などから、木村と大成の両翼の突破力も活用してゴールへ迫る。そして、大成の左CKが相手オウンゴールを誘うと、木村のボレーシュートと矢崎のヘッドで3得点。視界不良の中、ギマラエスがコーチングを続けていたほか、DFラインも集中した守りを続け、3-0(合計6-3)で勝利した。

 1年後の選手権日本一や個人昇格を目指す高校1、2年生たちは、同世代のライバルたちのプレーやピッチ外の生活を刺激に。富居監督が「(U-)18(日本高校選抜)のスタッフに聞いたら、1年間で変わったって言っていました」と説明するように、今回の活動で切磋琢磨した経験を良い形で今後に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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