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[新人戦]「勝ち抜けるチーム」目指す大津が日章学園に勝利。SH起用の新10番・嶋本悠大が決勝点

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前半26分、大津高の10番MF嶋本悠大(左)が追加点。この1点が決勝点となった

[2.17 九州高校新人大会予選リーグ第2節 大津高 3-1 日章学園高 ふれあいスポーツランド 芝生広場]

 17日、KYFA男子第45回九州高等学校(U-17)サッカー大会予選リーグ第2節が行われ、大津高(熊本1)が日章学園高(宮崎2)に3-1で勝利した。
 
 大津は前半、セカンドボールを日章学園に拾われ、FW水田祥太朗(2年)やMF南創太(2年)の個で行き切る力などに苦戦していた部分もあった。だが、やや悪い流れの時間帯でもU-17日本高校選抜候補CB五嶋夏生主将(2年)やCB村上慶(1年)を中心に最後の局面で封じて攻め返す。

 すると22分、右サイドへの展開から“突破口”のMF舛井悠悟(2年)がクロス。これをファーサイドでフリーの左SB大神優斗(2年)が頭で決めた。3バックの相手に対し、4-4-2システムの大津はワイドを効果的に活用した攻撃で先制点。さらに26分、左SHで先発した10番MF嶋本悠大(2年)がGK坊野雄大(2年)のキック一本で抜け出し、1タッチでゴールへ流し込んだ。

 嶋本は「去年はボランチであんまり点取れてなかった。今年はサイドハーフさせてもらってるんで、その分、点には絡んでいきたいなと思います」。1月のU-17日本高校選抜候補選考合宿で存在感のある動きを見せて日本高校選抜候補に“個人昇格“も経験。今年、名門校の10番を背負う注目MFは、責任感を持って役割を果たそうとしている。

「10番を背負わせてもらってるんで。責任感というか、自分がもっとボール持って、リズムを作って、しっかりゲームメイクだったり、個人で得点増やして行くというのは自分で意識しています」。個で相手DFを剥がす力も期待されている部分。山城朋大監督は「本人の今後のキャリアのためにも、そこは求めているところ」と説明していたが、10番は強豪対決でゴールという結果を残してみせた。

 日章学園も後半2分に水田のアシストから南がゴール。さらに勢いを持って攻めたが、大津は崩れない。山城監督は「ちょっとした自らの失点の後も、バタつかずにできた。(嶋本や五嶋ら)去年から出てるメンバーが多いのは、1つメリットだと思います」と語る。逆に後半22分、MF中村健之介(2年)が追加点を挙げて3-1。2連勝とした。

 大津は昨年、インターハイで市立船橋高(千葉)、選手権では昌平高(埼玉)にいずれもPK戦で惜敗。全国トップクラスのチーム相手に優勢な戦いをしているが、勝ち切る力が足りなかった。山城監督は「ほんとちょっとしたところで勝ち抜けるチームになっていかなきゃいけないです。全国の上位にはいると思うんで、それが(青森)山田みたいにちゃんと勝てると(変わってくる)。そういったところに僕らは今年は向き合っていかないといけない」と語る。

 細部を変えるため、超えるために、フィジカルトレーニングも増加。選手たちも意欲的だ。嶋本は「去年はその惜しいところで負けて、その中でも2年生は5人ぐらいいた。先輩たちに経験させてもらってるんで、自分たちは先輩たちにも期待されているっていうのを自覚しながら、しっかり今年は惜しい試合っていうよりかは圧倒して、どの試合でも勝っていきたいなと思います」と誓った。18日の柳ヶ浦高(大分1)戦も逆転勝利し、今大会の予選リーグは3連勝。飯塚高(福岡1)戦から始まる決勝オーナメントも勝ち切って優勝を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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